2004 Fiscal Year Annual Research Report
導入遺伝子の長期発現増強法を用いた転移性癌の遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
13218069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金田 安史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10177537)
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Keywords | HVJ / 樹状細胞 / 融合細胞 / CGオリゴヌクレオチド / 癌ワクチン / 細胞傷害性T細胞 |
Research Abstract |
癌抗原関連遺伝子が同定されていない癌に対し、PEGや電気穿孔法を用いた癌細胞と樹状細胞の融合法が抗腫瘍免疫誘導に有効であること報告されている。しかし、不活性化HVJはそれよりも再現性高くまた高効率に(PEGの数十倍)融合させることが可能であった。融合細胞をマウス皮下に1週間隔で2度免疫し10日後に脾細胞を取り出し、癌細胞で刺激したときに分泌されるIL-12を測定した。樹状細胞と癌細胞の混合したもので免疫したものよりも高いサイトカイン分泌を得た。融合細胞だけをソーティングしてもしなくてもサイトカイン分泌は変わらなかった。この融合細胞により癌の抗原の多くが提示されると考えられるが、その後でNaive T細胞を成熟させて細胞傷害性T細胞として機能させるため、アジュバンド作用のある物質が必要である。そこでCpGオリゴヌクレオチドを用いることにした。CpGオリゴヌクレオチドを融合細胞と混合したところ、CD80,CD86,MHC-class IIの発現でみられる樹状細胞の成熟がさらに増強され、IL-12,TNF-alphaの分泌もCpGオリゴヌクレオチドを用いない場合の2倍以上であった。そこでX線照射したマウスメラノーマとマウス樹状細胞の融合細胞をCpGオリゴヌクレオチドと混合してマウスに2度投与し、10日後に脾細胞を取り出してメラノーマに対する細胞傷害性T細胞の活性を測定したところ、CpGオリゴヌクレオチドの併用により著しい活性の増強をみた。しかしこの細胞傷害性T細胞は同じ系統のマウス異なる腫瘍であるリンフォーマ細胞EL4には反応しなかった。免疫後に腫瘍を移植したところこの方法により癌生着の完全抑制、高いマウス生存率(80%)が得られた。マウス腎癌細胞RENCAを用いた場合も同様のワクチン効果が得られた。腫瘍ができなかったマウスに再度同じ腫瘍を移植しても完全に拒絶がおこった。
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Research Products
(8 results)