2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13218074
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 直寿 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80314417)
|
Keywords | マウス・メラノーマ / 自然転移能 / ギャップ結合 / コネキシン26 / ドミナント・ネガティブ / ダイ・トランスファー / オレアミド / 抗転移薬 |
Research Abstract |
以前我々はマウス・メラノーマBL6に高い自然転移能をもたらす原因遺伝子はコネキシン26であることを以下の2つの実験から証明した。(1)コネキシン26(Cx26)遺伝子を導入したF10細胞株がBL6並みの高い自然転移能を獲得したこと。(2)点変異によって活性の無いギャップ結合を形成して野生型のギャップ結合を阻害するドミナント・ネガティブ型コネキシン26(DN-Cx26)をBL6細胞に導入した細胞株(BL6-Cx26DN)では内皮細胞とのギャップ結合形成能を失うと同時に自然転移能も強く抑制されたこと。ついで新鮮な下大静脈片を内腔側を上にして培養シャーレの底に沈め、その上に蛍光色素を取り込ませたメラノーマ細胞を播いてギャップ結合能を調べるという技術(BCECF)を用いてギャップ結合形成の有無を評価できる(ダイ・トランスファー法)を新たに開発して、コネキシン26阻害薬を化学合成してスクリーニングしてきた。その過程でオレアミドがコネキシン26を阻害してダイ・トランスファー法によって測定したギャップ結合能のみならず、in vivoにおける自然転移を顕著に抑制することを見出した。興味深いことにオレアミドは腹腔内投与で顕著な効果を与えたので、本年度の実験では餌に混ぜ込んで食べさせ、その効力をアッセイした。すると期待どうり、経口で投与した場合にも自然転移を顕著に抑制することを見出した。現在、阪大薬学部の北教授のグループとの共同研究としてオレアミドのderivativeを系統的に化学合成してダイ・トランスファー法により強いコネキシン26阻害活性を持つ薬物を幾つか合成することに成功した。現在、これをもう少し大量に化学合成して餌に混ぜ込んでアッセイすることで経口性の抗転移薬の開発を試みている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Watabe, K., Nakamoto, K., Ito, A., Okada, M., Tsubota, N., Endo, Y., Shinomura, Y., Matsuzawa, Y., Nojima, H.: "Structure, expression and chromosome mapping of MLZE, a novel candidate marker for squamous cell lung carcinoma"Japanese Journal of Cancer Research. 92・2. 140-151 (2001)
-
[Publications] Kimura, S.H., Ikawa, M., Ito, A., Okabe, M., Nojima, H.: "Cyclin G1 is involved in G2/M arrest in response to DNA damage and growth control after damage recovery"Oncogene. 20・10. 3290-3300 (2001)
-
[Publications] Nakamoto, K., Ito, A., Watabe, K., Koma, Y., Asada, H., Yoshikawa, K., Shinomura, Y., Matsuzawa, Y., Nojima, H., Kitamura, Y.: "Increased Expression of a Nucleolar Nop5/Sik Family Member in Metastatic Melanoma Cells. Evidence for its Role in Nucleolar Sizing and Function"Journal of American Pathology. 159・4. 1363-1374