2001 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌に対するEvidence-Bacedペプチド療法の開発
Project/Area Number |
13218087
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 富雄 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70284255)
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Keywords | MUC1ペプチドワクチン / 癌ペプチドワクチン / ワクチン療法 / 第I相試験 / CTL |
Research Abstract |
(1)MUC1ペプチドによる第I相試験:9例の膵癌切除不能例を対象に、MUC1ペプチド療法の第I相試験を終了した。副作用は全く認めなかった。1例に腫瘍マーカーの低下を認めたが、他の8例はPDであった。免疫学的効果の評価:個体差が大きく統計学的に有意差はないものの、Th1/Th2バランスの変化がTh2優位となり、抗MUC1 IgG抗体量が増加した症例を認めた。HLA-A24もしくはHLA-A2陽性で本研究への参加を同意した高度進行膵癌患者に対し癌ペプチドワクチン療法第I相試験を開始した。 (2)腫瘍拒絶抗原ペプチド判定試験の開発:対象はHLA-A24またはHLA-A02の膵癌患者とした。HLA-A24拘束性の腫瘍拒絶抗原ペプチド13種類、HLA-A02拘束性の腫瘍拒絶抗原ペプチド13種類を用い、それぞれにHLAの合致した膵癌患者に対して末梢血で各症例によって異なったペプチドに対するCTL誘導を試みた。膵癌患者において平均2.1個のペプチド特異的CTLが誘導され、EBV peptideへの反応が健常人に比べ有意に低かった。また、膵癌患者15例中4症例はワクチン療法不適格例と考えられた。HLA拘束性、ペプチド特異性の細胞傷害活性も確認した。 (3)癌ペプチドワクチンの毒性と安全性および免疫反応性(第I相試験):新細胞性免疫定性法にて反応性を認めたペプチドワクチンの中から良好なものを最大4種類選択し、各ペプチド3mgと不完全フロイントアジュバントを混和したペプチドワクチンを2週間隔で3回投与して本癌ワクチンの毒性/安全性評価とともにリンパ球の免疫反応性について検討した。現在8症例に対して施行中である。投与ペプチドの種類はLck208が7例と最多でLck486,Lck488,ART1 170がそれぞれ4症例に投与された。8例中6例で3回投与を終了し、局所の発赤、腫脹、接種後の発熱を認めたが、重篤な有害事象は認めなかった。臨床効果は5例でPD,1例でNCであった。この症例は8回投与後もNCである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Suzuki N: "Detection of peptide-specific cytotoxic T lymphocyte precursors used for specific immunotherapy for pancreatic cancer"International Journal of Cancer. (in press).
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[Publications] Yahara N: "MUC1-CTL therapy for pancreatic cancer with curative resection"Surgery. (in press).
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[Publications] Yoshimura K: "Successful immuno-gene therapy using colon cancer cells (colon 26) transfected with plasmid vector containing mature-interleukin-18 cDNA and the Ig-Kappa leader sequence"Cancer Gene Therapy. 8. 9-16 (2001)
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[Publications] Yoshino S: "Immunoregulatory effects of the anticancer polysaccharide lentinan on Th1/Th2 balance in patients with digestive cancers"Anticancer Research. 20. 4707-4712 (2000)