2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13218109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 哲治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10284994)
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Keywords | GST-π特異的阻害剤 / 抗癌剤耐性 |
Research Abstract |
1.目的 抗癌剤耐性因子の一つであるGST-πの活性を特異的に阻害するGST-π特異的阻害剤を合成し、各種抗癌剤に対する耐性を克服しうるかどうかを検討した。 2.方法と結果 (1)GST-π特異的阻害剤の合成 GST-πの活性を特異的に阻害剤するγ-Glutamyl-S-(benzyl)cysteinyl phenylglycine diethylesterの長鎖アルキルエステルを合成し、HPLCで精製した。 (2)Esteraseに対する安定性の検討 GST-π特異的阻害剤をin vitroでヒトまたはラットのesteraseとincubateして半減期を測定したところ、それぞれ約60分と45分であった。 (3)in vitroにおける薬剤感受性試験 GST-π発現の高い胆管細胞癌細胞株(HuCCT1)に阻害剤を加えて4-HC(cyclophosphamide,CPMの活性体)に対する感受性を検討したところ、IC50は2.7±0.5μMであり、対照群(8.1±0.7μM)に比べて有意な感受性の亢進を認めた。同様にAdriamycin,CDDP,VP-16に対する感受性は亢進したが、5-FU,MMCなどに対する感受性は変化しなかった。 (4)in vivoにおける薬剤感受性試験 ヌードマウスの皮下にHuCCT1を接種し、阻害剤とともにCPMを投与したところ、4週間後の腫瘍重量(48±19mg)は対照群(246±52mg)に比べて有意に低下した。同様に、adriamycinに対する感受性の亢進も認められた。 (5)腫瘍細胞内GST-π活性の測定 腫瘍細胞内のGST-π活性を測定したところ、阻害剤投与群では7.3±1.2であり、対照群(14.5±1.8)に比べて有意に低値であった。 3.結論 GST-π特異的阻害剤は、種々の抗癌剤に対する感受性を高めることが示され、耐性克服剤としての有用性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takayama T, et al: "Analysis of K-ras, APC and β-catenin in aberrnt crypt foci in patients with adenoma and cancer,and familial adenomatous polyposis"Gastroenterology. 121. 599-611 (2001)
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[Publications] Miyanishi K, et al: "Glutathione S-transferase-π overexpression is closely associated with K-ras mutation during human colon carcinogenesis"Gastroenterology. 121. 865-874 (2001)