2001 Fiscal Year Annual Research Report
組換え遺伝子(Rad51)を用いた難治がんの放射線治療
Project/Area Number |
13218113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
森田 隆 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70150349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 佳世 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30311921)
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Keywords | がん治療 / 放射線 / DNA修復 / 組換え / ヒストンH2AX / アンチセンスDNA / Rad51遺伝子 |
Research Abstract |
がんの化学療法や放射線療法には、がんのもつ自然耐性、あるいは獲得耐性によって、臨床的な治療効果に限界がみられることがある。さらに、いずれの治療においても正常組織が障害を起こさないようにするために照射する放射線強度、抗がん剤の濃度を抑える必要があり、十分な治療効果が得られないことが問題である。このようながん治療の障害となる放射線や抗がん剤に対する耐性を抑制し、より効果的で安全ながん治療法を開発することは重要である。我々は、がんの放射線治療における増感効果を得るために、DNA二重鎖切断の損傷修復に関する遺伝子機能の抑制による効果を検討した。細胞に放射線が照射されると、ヒストンH2AXがリン酸化され、Rad51など相同組換え修復遺伝子産物がフォーカスを形成してDNAの修復が起こると考えられる。そこで、我々はRad51アンチセンスDNAとして、Sオリゴよりも、特異性と効果が高いといわれるモルフォリノオリゴDNAを用いてRAD51タンパクの翻訳を抑制し、放射線に対する細胞の感受性の増感効果を検討した。コントロールとして、FITCの蛍光で標識されたオリゴを用いて導入を検討したその結果、マウステラトカルシノーマF9細胞では、Rad51アンチセンスオリゴマーが細胞内に速やかに取り込まれ、2-3日安定に存在することがわかった。さらに、6GyのX線照射により、コントロールオリゴに比べ、感受性が増加することが明らかになった。一方、ヒストンH2AXも放射線照射により、リン酸化されることが確かめられた。今後、これらの遺伝子の制御により放射線に対する増感効果が期待できると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Doi T, Morita T, Wakabayashi N, Sumi T, Iwai SA, Amekawa S, Sakuda M, Nishimune Y.: "Induction of instability of p34(cdc2)expression by treatment with cisplatin(CDDP)in mouse teratocarcinoma F9 cells"Cancer Lett. 176. 75-80 (2002)