2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13224015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 正人 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (10134248)
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Keywords | 人間-環境系情報 / 知覚系の共変 / アフォーダンス / リハビリテーション / 乳児の運動発達 / 音楽の認知 / 運動協調 |
Research Abstract |
乳児(0〜3歳)の身体-環境系情報を明らかにするために、家庭内でのごく普通の乳児の行為をそれを可能にしている環境の性質(アフォーダンス)と共に記録した動画集(「動画事典」と命名する)を作成した。 2001年秋に誕生した2名の男児(2人とも第一子)の、日常的行為を養育者にほぼ週1時間の長さDVカメラで記録することを依頼した。総計140時間にわたる動画が集められ、家の内外での食事、遊び、入浴、着替え等様々な場面が各乳児の発達とともに記録されていた。 これらの動画から環境と行為の相補性を記録していると思われる映像を抽出した。各映像の長さは数秒から数分であった。抽出した各映像には記録時の月齢、数行の説明文、数個のキーワードを付した。キーワードの冒頭にはその映像の特徴を最も表すものを置いた。2005年3月現在で抽出した映像の数は約900であった。2005年度にはキーワードからそれを検索するシステムを設計する予定である。 以下に一例を示す。 遊離物(12ヶ月8日) 遊離物は置き換えたり集めたり分別ができる(Gibson,1979)。例えば乳児Kは部屋の隅に色の違うガス風船をひとつずつ持って来て浮かばせ、さらに「一緒」と繰り返し言って隣部屋に落ちていた形の違う風船を持ち、2つの風船の方を指した。母親が「一緒だね。それも風船だね。」「それは飛ばないけどね。」と言う。Kはそれを先の2つの風船の浮いている場所に再び戻って投げ、さらにまた別の全く形の違う大きな風船を「一緒」と抱えて来て母親の方に近寄った。ここでは複数の遊離物が同一のものとして集められ、「実体間の不変項」が発見されている。
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Research Products
(3 results)