2001 Fiscal Year Annual Research Report
秘密関数分散法に対する情報理論的性能評価と応用に関する研究
Project/Area Number |
13224028
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30136212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 朋宏 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (00323527)
岩田 覚 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (00263161)
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Keywords | 秘密分散法 / 秘密関数分散法 / 紛失通信 / 視覚複合型秘密分散法 / (k, n)しきい値秘密分散法 / ランプ型秘密分散法 / 暗号プロトコル / 情報セキュリティ |
Research Abstract |
本年度は,秘密関数分散法およびその他の秘密分散法に関して下記の成果を得た. 1.秘密関数分散法(Secret Function Sharing Scheme)に対する成果 (1)秘密関数分散法のセキュリティ条件をエントロピーを用いて定式化するとともに,秘密関数分散法における符号化レートの下限を情報理論的に導出した. (2)Naorらの2変数関数を用いた秘密関数分散法を,線形演算を用いる方式に一般化する共に,上記の下限を達成する方式を示した. (3)ランプ型の秘密関数分散法を提案するとともに,その性能を情報理論的に評価した.その結果,幅Lのランプ型秘密関数分散法を用いると,符号化効率がL倍改善されることを明らかにした. (4)Koyamaの複数グループ間の秘密分散法を秘密関数分散法に導入するとともに,その応用として新しいランプ型の紛失通信プロトコルが作れることを明らかにした. 2.その他の秘密分散法に対する成果 (1)グレースケールの視覚復号型秘密分散法を,行列の多項式表現と偏微分方程式を利用した方式で構成できることを示した.また,(n, n)しきい値法の場合,その方法で画素拡大率が最も少ない最適なものが構成法できることを明らかにした. (2)分散画像の組合わせ方で異なるカラー画像を復号できる,新しい視覚復号型秘密分散法の構成法を提案し,その理論解析を行った. (3)量子秘密分散法や,一般の秘密分散法への離散最適化手法の応用などについて,調査を行った.
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