2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13224032
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
入來 篤史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70184843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 英俊 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60334439)
大林 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90318246)
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Keywords | ニホンザル / 神経生理学 / 脳機能画像 / 動画像解析 / 道具使用 / 単一ニューロン活動 |
Research Abstract |
今年度は、道具の使途理解、目的達成のために推論に基づく道具使用計画を要する課題をニホンザルに課し、その課題遂行前後の行動・運動の様式の変化を経時的に定量化することで、高次認知・運動機能の習得過程を行動学的に検討した。これらの機能に関わる脳内領域は、課題遂行中の脳内活動を機能画像的解析により特定した。 概念的道具操作:コインをいれるとフードディスペンサーから報酬となるエサが出るという課題を行うシステムを構築し、この操作に必要とされる、法則原理、抽象的概念、因果関係の理解の発達過程を、課題の成功率・所要時間を指標に計測・検討する実験に着手した。 (1)因果事象の法則性理解:フードディスペンサーに入れるコインの形状や性状により、得られる報酬の量を変えるという課題により、事物と量とを連合させることを手掛かりに、コインの選択ができるようになるかということを、行動学的に観察し学習曲線などの指標を用いて評価しようと試みている。さらに、「数」や「量」の概念、その間の法則の知覚の獲得過程についても検討を開始した。 (2)動作原理の抽象的理解:この装置のメカニズムについての「論理的抽象的概念」の理解、原因となる「事象(コイン投入)」と発生する「結果(エサ獲得)」の因果関係の理解や、原理についての知識の獲得過程の様式を検討している。 上記課題を駆使して、事物間の関係認知、因果性、「量、数」の概念、結果の「予測」による選択的行動、それぞれの道具のもつ機能の「因果関係」、道具使用行為の「時系列」の理解、結果の「推測」プロセスをどのように発達させるかについて、行動学的観察を行い、「問題解決能力」、「推論能力」の発達を定量化する。さらに、既存の設備を使って、覚醒ニホンザルの上記課題遂行中の局所脳血流を15[O]-標識水によるポジトロンCT(PET)により計測することで、学習に伴う脳内変化を経時的に観察し、前頭前野などの連合野に焦点をあて、特異的活動領域の特定を試みた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yokochi, H., Tanaka, M., Kumashiro, M., Iriki, A.: "Inferior parietal somatosensory neurons coding face-hand coordination in japanese macaques"Somatsens. Motor Res.. (in press). (2003)
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[Publications] Obayashi, S., Suhara, T., Kawabe, K., Okauchi, T., IMaeda, J., Nagai, Y., Iriki, A.: "Fronto-parieto-cerebellar interaction associated with intermanual transfer of monkey tool use learning"Neurosci. Lett.. (in press). (2003)
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[Publications] Hihara, S., Yamada, H., Iriki, A., Okanoya K.: "Spontaneous vocal differentiation of coo-calls for tools and food in Japanese monkeys"Neurosci. Res.. (in press). (2003)
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[Publications] Hihara, S., Obayashi, S., Tanaka, M., Iriki, A.: "Rapid learning process of applied multiple tool usages by macaque monkeys"Physiol. Behav.. (in press). (2003)
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[Publications] Obayashi, S., Suhara, T., Nagai, Y., Maeda, J., Hihara, S., Iriki, A.: "Macaque prefrontal activity associated with extensive tool use"Neuroreport. 13. 2349-2354 (2002)
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[Publications] Kumashiro, M., Ishibashi, H., Itakura, S., Iriki, A.: "Bidirectional communication between a Japanese monkey and a human through eye gaze and pointing"Curr. Psychol. Cogn.. 21. 3-32 (2002)
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[Publications] Ishibashi, H., Obayashi, S., Iriki, A.: "Handbook of multisensory integration"MIT Press (in press). (2003)