2002 Fiscal Year Annual Research Report
利用者の意思を確実に伝える情報セキュリティ基盤技術の研究
Project/Area Number |
13224040
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 勉 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (40183107)
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Keywords | 情報セキュリティ / 暗号・認証等 / バイオメトリクス / 耐タンパー性 / タイムスタンプ / 署名生成機能の危殆化 / 情報ハイディング |
Research Abstract |
1.セキュアな意思伝達確認:電子署名等の作成の意思を相手に確実に伝える方法とその評価 ○ディスプレイの覗き見をされるなど,人間-機械間の通信路の安全性が必ずしも保証されていない状況に対処するため,計算機がメッセージを暗号化して提示して人間がそれを復号するという形式の方式を提案・実装し,有効なインタフェースと安全性について評価を行った. ○ガラス等に残った指紋からディジタルカメラ等により採取した指紋画像をもとにしてゼラチンを用いて作製した人工の指,いわゆる"グミ製人工指"が,市販されている11機種以上の光学式センサまたは静電容量式センサを用いた指紋照合装置に高い割合で受け入れられることを発見し,指紋照合技術を安全に利用するためには機能面または運用面で対策が必要であることを示した.この結果は世界的に報道され衝撃を与えている.また,指紋照合技術の評価の研究を踏まえ,瞳の周りの虹彩(アイリス)を用いる虹彩照合技術の脆弱性評価に関する検討を開始した. 2.技術環境の変化への対応:時と共に攻撃者が利用できる技術力が増していくという厳しい前提の下でも,セキュアな意思伝達確認が行えるために本質的である事項や,長期間の信頼を支える情報セキュリティ実現機構とその評価方法について研究した. ○特定のデータが特定の日時に存在したことを証明する技術であるタイムスタンプ方式の評価の枠組みを提案し,改ざん攻撃に対する安全性評価,タイムスタンプの発行・検証に必要なコストの検討,さらにタイムスタンプ方式における可用性の定義と評価を行った. ○偽造など,電子署名に関わるトラブル全体について,その発生原因と対策技術とを検討した.また,本来,ある利用者のみが使用可能であるべき署名生成機能が危殆化した場合に当該利用者がその事実を早期に発見するための方法について研究した.
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[Publications] 洲崎誠一, 松本 勉: "電子署名アリバイ実現機構:ヒステリシス署名と履歴交差"情報処理学会論文誌. 43・8. 2381-2393 (2002)
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[Publications] 井上大介, 松本 勉: "スタンダードMIDIファイルステガノグラフィとその能力"情報処理学会論文誌. 43・8. 2489-2501 (2002)
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[Publications] 宇根正志, 松本 勉: "可用性および安全性の観点からみた各タイムスタンプ方式間の関係"情報処理学会論文誌. 43・8. 2644-2658 (2002)
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[Publications] Hiroyuki Matsumoto, Tsutomu Matsumoto: "An evaluation method for a magnetic artifact-metric system"IPSJ Journal. 43・8. 2458-2466 (2002)
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[Publications] Katsunari Yoshioka, Tsutomu Matsumoto: "Random-error-resilient tracing algorithm for a collusion-secure fingerprinting code"IPSJ Journal. 43・8. 2502-2510 (2002)
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[Publications] Masashi Une, Tsutomu Matsumoto: "An evaluation method of time stamping schemes from viewpoints of integrity, cost and availability"IEICE Trans. Fundamentals.. E86-A・1. 151-164 (2003)