2004 Fiscal Year Annual Research Report
利用者の意思を確実に伝える情報セキュリティ基盤技術の研究
Project/Area Number |
13224040
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 勉 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (40183107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四方 順司 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究科, 講師 (30345483)
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Keywords | 情報セキュリティ / 暗号・認証等 / バイオメトリクス / 耐タンパー性 / タイムスタンプ / 署名生成機能の危殆化 / 情報ハイディング |
Research Abstract |
セキュアな意思伝達確認 紙ベースの情報環境において得られる安心感を,ディジタル情報環境においても利用者が実感できるようにすることを目指し,人間である利用者と携帯ハードウェアとの間にセキュリティ上のうまい枠組みをどのように設けるかにつき研究計画どおりに研究し,基本的成果を得た.人間機械間暗号,非常時通報,耐タンパーソフトウェア,バイオメトリクス等につき研究成果を得たが,特にバイオメトリック認証技術の脆弱性評価研究については,極めて注目され,脆弱性評価に本格的に取り組むべきという取り組みを促進する原動力として期待されており,当初の計画では予想しえないほど大きな影響を社会に与えることになった.特記事項として,携帯電話等に用いられるスイープ型の指紋センサを用いる指紋照合技術の脆弱性評価方法を開拓したことと,金融ATMなどへの適用が進みつつある静脈認証技術の脆弱性評価方法に関する研究を開始したことがあげられる. また,高度な文書編集ソフトと高品質な印刷機器の普及に伴い,紙幣や証券,その他の重要文書の偽造が問題となっている.本研究においては,文書の改ざんの有無を人間が視覚的に簡易に検証することができるように,文書に依存する署名を人間が識別・解釈できる識別子に変換し,これを文書の背景として出力するというスタイルの「視覚的検証可能署名」を提案した.既存技術においては,検証用情報の読取や検証処理に機械を用いることが必須であるのに対して,視覚的検証加可能署名では,人間が簡易に検証を行えることが特徴である. 技術環境の変化への対応 時と共に攻撃者が利用できる技術力は変化していくという厳しい前提の下でのセキュリティに関しては,電子署名の偽造に係る問題への対策技術,人工物メトリクスによるICカードのセキュリティ強化方法の提案などを行っている.情報理論的安全性を有する暗号技術の研究でも理論的成果を得ている.
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