2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たな免疫分子OX40/OX40リガンド系による感染防御免疫の制御
Project/Area Number |
13226006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅村 和夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20117360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60291267)
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Keywords | OX40(CD134) / 炎症性腸疾患 / 遺伝子連鎖解析 |
Research Abstract |
OX40(CD134)とそのリガンド(OX40L)はそれぞれ活性化T細胞と抗原提示細胞上に発現し、その結合によりCD4陽性T細胞活性化に必須の役割を果たす。これまでの本班会議において、OX40L遺伝子導入(Tg)マウスでCD4陽性記憶T細胞の機能の著しい亢進が見られること、C57BL/6(B6)背景の同TgマウスがL.majorやサイトメガロウイルス感染に対し感受性となることを報告した。すなわち、B6マウスの感染抵抗性をOX40シグナルが制御する可能性を見出した。他方、同TgマウスはB6系統特異的に炎症性腸疾患(IBD)を自然発症する。その発症が腸内細菌殺菌処置により抑制されることから、OX40シグナルが腸内細菌フローラに対する免疫寛容を破綻させた可能性が考えられる。そこで今年度の研究では、B6系統とBALB/c系統の交雑系OX40L-Tgマウスを用いた遺伝子連鎖解析を行い、IBD発症を指標としてB6特異的免疫制御遺伝子の同定を行った。 【研究結果】 B6感受性系統とBALB抵抗性系統の交配を行い交雑系OX40L-TgマウスについてIBD重症度を指標として遺伝子連鎖解析を行った。その結果、第4番染色体上のIBD発症関連遺伝子座は、QTL解析によるIBD重症度との相関がLodスコア7.4と極めて有意であった。さらに同遺伝子座内の複数の遺伝子の塩基配列と脾臓細胞における発現量をB6とBALB/c間で比較解析した。その結果、疾患発症感受性であるB6系統特異的に10分の1以上の発現量低下が認められる遺伝子(IBDX:仮名)を見出した。すなわちB6系統における脾臓細胞IBDX発現量の低下がIBD発症に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)