2005 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染ライフサイクルに必須な細胞因子の同定および新しい抗HIV薬の標的探索
Project/Area Number |
13226027
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山本 直樹 国立感染症研究所, エイズ研究センター, センター長 (00094053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 昇司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (90263160)
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Keywords | エイズ / 抗HIV / 細胞因子 / ケモカイン / CXCR4 / HEXIM1 / 化学療法剤 |
Research Abstract |
293T細胞の変異原処理により感染抵抗性のクローン(YD4)の樹立に成功した。この細胞では、HIV-1(NL4-3 luc)の感染感受性が対象親細胞に比べて大幅に低下しているのに対し、同じプラスミッドのトランスフェクションでは正常であったことから、プロウイルスの転写以前の段階で制限のあることが示唆された。一方、この細胞はMoloney MLV感染にはまったく影響がなかった。その遺伝的形質を細胞融合法により検討した結果、劣性であることが判明したため、薬剤耐性遺伝子を組み込んだHIV由来レンチウイルスベクターを用いてcomplementationを試みているところである。 transient transfection assayによりHEXIM1を発現させると、LTRプロモーターからのTat依存性転写は抑制された。これらのデータは、T細胞におけるHIV-1複製は、構成的なHEXIM1発現によって抑制されることを示している。HEXIM1の構成的発現は細胞増殖に影響しなかったが、HIVの複製はHEXIM1発現細胞の中ではGFP発現細胞より抑制されていた。しかし、HEXIM1を発現する細胞中に見られたウイルスLTRとtatの配列には変化がなかった。さらにHEXIM1の発現はウイルスのエントリー、タンパク質発現、および粒子生産の効率に影響しなかった。結論として、HEXIM1は、HIV-1複製を負に制御する宿主因子であり、新しい化学療法剤開発の標的として役立つ可能性があるといえる。 CXCR4阻害剤については、さらに誘導体の合成を行った結果、抗HIV活性、体内での安定性、経口吸収性に優れた誘導体KRH-3955,-3140を見出した。さらにRANTES, MIP-1などによるシグナル抑制試験、などを指標としてCCR5のantagonistic活性を検討し、実用化を目指している。
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Research Products
(24 results)