2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染で誘導されるメモリーCD8細胞の産生/維持機構とその役割
Project/Area Number |
13226036
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Keywords | IL-15 / メモリーCD8T細胞 / アポトーシス / リステリア / 再感染 / キラー活性 |
Research Abstract |
【研究目的】 細胞内寄生性細菌感染によるメモリー型CD8T細胞の産生、維持さらに再活性化機構におけるIL-15の役割を明らかにし、その分子基盤に基づいて、メモリー型CD8T細胞を誘導するT細胞ワクチン(抗原)と組み合わせたアジュバンドを開発研究する。 【結果】 IL-15トランスジェニック(Tg)マウスまたはIL-15ノックアウト(KO)マウスをもちいて、Ovalubumin(OVA)産生Listeria monocytogenesまたはOVA産生BCGを感染させ抗原特異的CD8T細胞を解析した。その結果以下の点が明らかとなった。 1)Expansion phaseでのエフェクターCD8T細胞の産生にはIL-2が必須であったが、IL-15は必要でなかった。 2)Contraction phaseでのエフェクターCD8T細胞のアポトーシスにIL-15は抑制的に働いていた。この時期にレコンビナントIL-15を投与することで、エフェクターCD8T細胞のアボトーシスを制御して、その結果メモリーCD8T細胞を増加させ、強い再感染防禦能を賦与できた。 3)Memory phaseではメモリーCD8T細胞のhomeostatic proliferationにIL-15が必要であった。 4)Reactivation phaseでは、メモリーCD8T細胞のキラーエフェクター分子の早期発現にIL-15が必要であった。この時期にレコンビナントIL-15を投与することで、メモリーCD8T細胞の再活性化を促進することで、強い再感染防禦能を賦与できた。 【考察】IL-15は、エフェクターCD8T細胞のアポトーシスを制御することで、メモリーCD8T細胞の産生に重要な役割を担っていることが明らかとなった。IL-15は抗原非依存性にメモリーCD8T細胞の維持に働き、さらに再感染時のメモリーCD8T細胞の再活性化にも役割であると考えられる。 【意義】IL-15はCD8T細胞のワクチンアジュバントとして有用と考えられる
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Research Products
(11 results)