2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分泌型マラリア防御抗原タンパクの機能と遺伝子構造の解析
Project/Area Number |
13226111
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
小林 富美恵 杏林大学, 医学部, 講師 (20118889)
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Keywords | マラリア / 感染防御抗原 / ワクチン / Plasmodium berghei |
Research Abstract |
1.Plasmodium berghei XAT感染に対して強い防御効果を示すモノクローナル抗体B1D6抗体とH6G11抗体(いずれもIgG1)を、原虫感染赤血球を接種して感染耐過後、感染赤血球を再接種したBALB/cマウスの脾細胞を用いて作成した。これらのうち、B1D6抗体が認識する標的抗原の推定分子量をwestern blot法によって検討すると、この抗体は還元条件下で電気泳動によって分離されたタンパクのうち推定分子量150kDと160kDの成分に反応した。B1D6抗体を結合させたHiTrap NHS-activatedカラムおよびホルミルセルロファインカラムにより標的抗原をアフィニティー精製し、50mgの粗抗原から約300ugの精製抗原を得た。Western-blot法により、この精製抗原標品中に上記の150kDと160kDタンパクが含まれることを確認した。精製標品を電気泳動したSDS-PAGEゲルによりを用いて150kDと160kDタンパクを分離後、それぞれの内部アミノ酸配列の解析が進行中である。 2.P.berghei XATの感染防御抗原であるB1D6抗原が感染のどの時期に出現するかを明らかにするためにB1D6抗体を用いたtwo-sited assay systemを構築した。H6G11抗体の標的抗原がB1D6抗体の標的抗原と同一であることが明らかとなったので、より感度の高いアッセイ系を確立するために各々の抗体を精製・標識し、1抗体法と2抗体法を比較検討した。その結果、2抗体法により血中のマラリア抗原を検出し得た。 3.P.berghei XATの感染防御抗原は、蛍光抗体法および免疫電子顕微鏡法の結果からMSP-1などの膜結合型抗原とは異なるタイプの可溶性抗原と考えられた。今後、さらにその遺伝的性状について解析を進めるとともに、この抗原が如何にして原虫排除・殺滅に関わるのかを探る予定である。
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[Publications] Kobayashi F: "In vitro antibody response to the tetrapeptide repeats of Plasmodium falciparum circumsporozoite protein by splenocytes from mice infected with P.yoelii yoelii"J Vet Med Sci. 63・7. 743-749 (2001)
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[Publications] 小林 富美恵: "マラリア感染における宿主の免疫応答と感染防御機構-赤内型原虫感染におけるT細胞とサイトカイン"動物の原虫病. 16・2. 60-67 (2001)
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[Publications] Haruki K: "Evaluation of AnaeroPack(AnP) type as tools of Plasmodium falciparum cultivation and drug sensitivity tests"Jpn J Trop Med Hyg. 29・4. 365-370 (2001)