2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13301018
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
綾村 宏 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 文化遺産研究部, 部長 (20000507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
湯山 賢一 文化庁, 文化財部, 課長 (00300690)
富田 正弘 富山大学, 人文学部, 教授 (50227625)
横内 裕人 東大寺図書館, 研究員
遠藤 基郎 東京大学, 史料編纂所, 助手 (40251475)
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Keywords | 東大寺 / 聖教文書 / 美作国封戸 / 石包名 / 大般若経 / 薬師寺八幡宮一切経 / 助成銭 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、今年度も東大寺図書館収蔵庫第4室収納の聖教文書類の整理、調査を行い、各資料ごとに番号を付け、基礎的データを測定、確認し、さらに現地で目録データを入力した。さらに聖教文書の一部について写真撮影を行った。 聖教文書の基礎的データの調査、入力作業は、5月、8月、11月、3月の4回に研究分担者参加による集中調査を行った。それ以外の月は各月数日間設定して、写真撮影の作業に主として行ったのも昨年度と同様である。 今年度、各資料で目録データ入力を行いえたのは、第5函と第17函以降である。第5函は、全30括あるうちで昨年度終了できなかった17括、21括〜30括分の目録データを調査入力し、終了した。第5函の17括、21括、24括などは100点以上が一括束ねられていた。ついで10括ある第17函、11括ある第18函、第22函・第25函・第26函・第28函・第31函分の目録データを調査、入力した。昨年度から始めた写真撮影は、第1函は58括までを撮り終え、現在第2函の1括、25括などの撮影を行っている。 なお収納されている聖教文書類は、基本的には江戸時代の聖教文書が主体であるが、第3函2括1号の長治元年7月20日美作国封戸結解状断簡や第17函9括の文安元年6月6日石包名年貢切符など、時代がさかのぼる文書も含まれている。また目録データ作成には至っていない分の第36函には、かなり破損しているが平安末期から鎌倉初期の写本と考えられる大般若経が約20巻、また鎌倉中期かと考えられるほぼ同数の版本の大般若経が収められている。写本には「薬師寺八幡宮一切経」との墨書があるものも存在する。また第26函蓋裏には鎌倉時代の助成銭に関する規定を書いた貼り紙があり、箱そのものとの関係が注目される。
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Research Products
(2 results)