2003 Fiscal Year Annual Research Report
茨城県霞ヶ浦北岸地域における古墳時代在地首長層の政治的諸関係理解のための基礎研究
Project/Area Number |
13301021
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小林 三郎 明治大学, 文学部, 教授 (90061928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 憲一 明治大学, 文学部, 助教授 (20318661)
石川 日出志 明治大学, 文学部, 教授 (40159702)
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Keywords | 国家形成 / 古墳時代 / 関東 / 首長間関係 |
Research Abstract |
今年度は、茨城県新治郡玉里村所在の、昨年度測量した愛宕塚古墳の補足測量調査、及び塚山古墳の測量調査を実施した。愛宕塚は「帆立貝式」と呼ばれ、前方後円墳であるが、大変狭小な前方部を有するのが特徴である。細かいデータは次の通りである。 愛宕塚:全長63.4m(数値は約)、後円部径49.8m、後円部高さ(即ち古墳の高さ)10.1m、前方部残存長13.6m、前方部高さ2.8m、ぐびれ部(前方部と後円部の接合部分)残存幅19.0m、周溝幅18.9〜25.0、周溝深さ1.3m 塚山古墳は円墳であるが、直径50mと推測されるが、大型円墳のこれまで出版された集成からは漏れており、正確な測量図は、古墳旧寺代研究に大きな貢献となる。測量の結果、現存直径は約48mであるが、近代の農作業により裾を大きく削られており、直径はやはり50mを越えるのではないかと推測する。また幅10m以上の、広い周壕が回っていることもわかった。 また調査中に埴輪を数片採集することができた。その埴輪は5世紀代のものと考えられる。もしこの埴輪の年代がこの古墳の年代を示すとすると、一昨年度、昨年度と調査してきた雷電山、桃山、滝台、山田峰、愛宕塚の前方後円墳より、塚山は一世代古い古墳となる。ということは、玉里古墳群は、前方後円墳から円墳へという変遷を辿るのではなく、当初円墳が出現し、6世紀になって前方後円墳が築造されるようになったと考えることも可能である。
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Research Products
(1 results)