インドにおける人口と開発-総合的・歴史的アプローチ

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13303006
• Research Institution: Hitotsubashi University
• Principal Investigator: 斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 由比子 城西大学, 経済学部, 助教授 (00218140) ; 篠田 隆 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (20187371) ; 嵯峨座 晴夫 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10097256) ; 脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931) ; 宇佐美 好文 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40081559)
• Keywords: インド / 経済開発 / 人口動態 / 人口政策 / 人口推計 / 農業発展 / 生態環境 / 疾病史

Research Abstract

人口問題の厳しい現実に直面するインドを研究対象とし、現代の人口動態、経済構造、人口政策の相互関連の解明と、その歴史的背景となるプロセネの分析、すなわち過去の1世紀におよぶ人口動態の復元推計、その疾病史的側面の解明、その間における経済発展、とくに農村経済・労働経済の変容、および生態環境の変動との関連を追求することを目的とした本プロジェクトの最終年度にあたる本年の研究活動は、多岐にわたった。過去2年間を通して行ってきたデータの整理と分析は今年も重要な活動の柱であったし、通常のスタイルの研究会も開催をした。しかし、それらに加え、これまでの研究の成果を外部の研究会議等で発表することにも重点がおかれた。具体的には、6月に開かれた日本人口学会年次大会では2人の分担者、嵯峨座晴夫および西川由比子が本プロジェクトの成果にもとづいたセッション報告を、1月のニューデリーにおけるインド歴史人口学コンファレンスでは金子隆一と斎藤修がジョイント報告を、そしてアメリカ・カリフォルニアにおけるワークショップでは脇村孝平が研究報告を行った。そして、本研究計画における最大の目標は、インドの研究者を招いての国際的な研究ワークショップであった。本研究の分担者の報告を中心に、インドから招いた2人(イルダヤ・ラジャン、アルプ・マハラトナ)の報告を加え、国内からもインド人研究者1名を含む数人の参加者をえて、大阪において2日間にわたって行われた研究会議は、本研究グループの活動を締めくくるに相応しく、興味探い発見事実をもつペーパーと、歴史と現代のあいだを縦横に行き来しながらの活発でインテンシヴな討論とによって、充実した研究交流の場とすることができた。

Research Products

• [Publications] 嵯峨座 晴夫: "アジアの高齢化と高齢者の生活"人口と開発. No.83. 10-14 (2003)
• [Publications] 西川 由比子: "インドにおける出生力の地域格差-2001年センサス結果から"人口学研究. No.33. 113-116 (2003)
• [Publications] 西川 由比子: "インドにおける人口転換の波及-アーランド・プラデーシュ州の事例"経済経営紀要. 22巻1号. 25-36 (2004)
• [Publications] Takashi Kurosaki: "Specialization and Diversification in Agricultural Transformation : The Case of West Punjab, 1903-1992"American Journal of Agricultural Economics. No.85(2). 372-386 (2003)
• [Publications] 黒崎 卓: "貧困の動態的分析:研究展望とパキスタンへの応用"経済研究. No.54(4). 353-374 (2003)
• [Publications] 黒崎 卓: "経済成長と貧困・雇用"パキスタン国別援助研究会報告書 国際協力機構・国際協力総合研究所総研 JR03-19. 172-192 (2003)
• [Publications] 脇村 孝平: "健康の経済史とは何か-英領インドの飢饉・疫病と植民地的開発(1871-1920年)"経済史研究. 7号. 71-86 (2003)
• [Publications] 脇村 孝平: "熱帯医学とマラリア研究-20世紀前半の英領インド"歴史学研究. 781号. 103-112 (2003)
• [Publications] 脇村 孝平: "疫病と世界史"世界史のしおり. No.22. 1-4 (2003)
• [Publications] 野間 晴夫: "バングラデシュ村落社会と村落研究"海田能宏編著「バングラデシュ農村開発実践研究-新しい協力関係を求めて-」コモンズ. 302-325 (2003)
• [Publications] 黒崎 卓: "開発経済学:貧困削減へのアプローチ"日本評論社. 294 (2003)
• [Publications] 黒崎 卓, 子島 進, 山根 聡: "現代パキスタン分析-民族・国民・国家-"岩波書店. 294 (2004)
• [Publications] 大塚 啓二郎, 黒崎 卓: "教育と経済発展-途上国における貧困削減に向けて-"東洋経済新報社. 322 (2003)