2002 Fiscal Year Annual Research Report
雷雲・電離圏間放電による大気圏と電離圏のエネルギー結合過程の研究
Project/Area Number |
13304037
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福西 浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90099937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 均 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50298741)
村田 功 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00291245)
高橋 幸弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (50236329)
湯元 清文 九州大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20125686)
坂野井 健 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80271857)
|
Keywords | スプライト / エルブス / 雷放電 / 大気発光 / VLF / ELF / 冬季 / 日本 |
Research Abstract |
スプライト及びエルブスによる大気圏・電離圏のエネルギー結合仮過程を明らかにするために、昨年度に引き続き、本年度は、以下の1)から4)の計画を実施した。 1)観測システムの整備 光学及び電磁波によるステレオ観測を充実させるため、イメージインテンシファイアー付きCCDカメラを新たに整備するとともに、無人VLF磁場観測装置を開発し、山梨県甲府市に設置した。また、スプライトを発生させる落雷に伴う雷雲内の水平電流を検出する目的で、3成分電場アンテナ及び受信機を開発し、テスト観測を行った。 2)冬季日本における共同観測の実施 12月から2月を中心に、冬季日本におけるスプライトとエルブスの観測キャンペーンを実施し、多数の現象についてデータ取得することに成功した。本年度はスタンフォード大学から大学院生1名が加わり、磁気共役点落雷発光の検出を目指したフォトメータ観測を行った。また同大のVLF観測システムを東北大学飯舘観測所に設置し、本キャンペーン以降も継続的に協力して運用する体制を整えた。 3)データ解析 1998年以降に日本で取得されたスプライトのイメージデータを、落雷情報、衛星(GMS)による赤外雲画像や雨雲レーダー等と比較し、冬季のスプライトの出現と気象条件の関係を詳細に調べた。その結果、これまで漠然と寒冷前線通過時に発生すると考えていたスプライトが、a)日本西岸の寒冷前線によるもの、b)日本海収束雲に関連するもの、c)大平洋上の寒冷前線背後の雲の発達によるもの、以上の3種類に大別できることが明らかになった。 4)計算機シミュレーション モンテカルロ法によるスプライトヘイロー中での電子エネルギー変動のシミュレーションコードを開発し、動作を確認した。また化学モデルの開発も進め、スプライトヘイローの中ではNO_xが2桁以上増加する可能性が示唆された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takahashi, Y. et al.: "Activities of sprites and elves in the winter season, Japan"J. Atmos. Solar Terr. Phys.. (In press). (2003)
-
[Publications] Miyasato, R., H.Fukunishi, Y.Takahashi, M.J.Taylor: "Energy estimation of electrons producing sprite halos using array photometer data"J. Atmos. Solar. Terr. Phys.. (In press). (2003)