2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一電子トラップ直視技術の開発とそれを用いた極薄ゲート絶縁膜の劣化機構の解明
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13305005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 博基 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50345930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
財満 鎭明 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70158947)
酒井 朗 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20314031)
安田 幸夫 高知工科大学, 総合研究所, 教授 (60126951)
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Keywords | 電流検出型原子間力顕微鏡 / MOSキャパシタ / ゲートSiO_2膜 / 高誘電率ゲート絶縁膜 / La_2O_3-Al_2O_3複合膜 / 電流スポット |
Research Abstract |
電流検出型原子間力顕微鏡(C-AFM)用いたゲート酸化膜劣化機構の解明を進め、以下の研究成果を得た。 1.昨年度までの研究において、ストレス印加したMOSキャパシタのゲートSiO_2膜をC-AFM観察すると、局所的なリーク電流スポットが観測されることを見出していた。今回、ストレス印加した後に電流-電圧(I-V)特性の測定を数回繰り返し行ったMOSキャパシタのゲートSiO_2膜をC-AFM観察したところ、I-V測定をしない場合に比べて、局所的なリーク電流スポットが観測される測定電圧が大きいことが分かった。MOSキャパシタにストレス印加するとゲートSiO_2膜中に正孔が捕獲され、その後にI-V特性の測定を繰り返すとゲートSiO_2膜中の正孔が放出される。このため、容量-電圧(C-V)特性は負電圧方向および正電圧方向へシフトする。C-AFM観察で局所的なリーク電流スポットが観察される測定電圧の変化量は、MOSキャパシタでのC-V特性の電圧シフト量と一致しており、局所的なリーク電流スポットの観測電圧が、ゲートSiO_2膜中での正孔の捕獲・放出に起因することを示唆する結果であった。 2.近年、次世代ゲート絶縁膜として、SiO_2膜よりも誘電率の高い金属酸化膜の導入が求められており、その劣化現象の解明が課題となっている。そこで、高誘電率ゲート絶縁膜の1つである、La_2O_3-Al_2O_3複合膜に対して、C-AFM観察を行った。SiO_2膜の場合と同様に、La_2O_3-Al_2O_3複合膜においても、ストレス印加した膜では局所的なリーク電流スポットが観測された。La_2O_3-Al_2O_3複合膜におけるリーク電流スポットの発生原因としては、SiO_2膜の場合と同じ電荷捕獲の他に、膜中での組成揺らぎに起因するバンドギャップの揺らぎなども考えられる。
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Research Products
(3 results)