2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド電子放出源の高安定化と高感度撮像素子への応用
Project/Area Number |
13305006
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
岡野 健 国際基督教大学, 教養学部, 準教授 (20233356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 貴壽 青山学院大学, 理工学部, 助手 (30306500)
岡村 憲伯 浜松ホトニクス, 電子管事業部・第5製造部, 主査
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Keywords | ダイヤモンド / 電子放出 / 撮像素子 / 冷陰極 / 窒素添加 / 光導電膜 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに確立した高濃度窒素添加ダイヤモンドからの電子放出を説明するモデルの信憑性を確認するため、前年度までに電子放出特性を確認していた多結晶ダイヤモンドではなく、ホモエピタキシャルダイヤモンドの電子放出特性に関して考察した。アノード・カソード間の距離を変化させて放出電流-アノード電圧特性を計ることで、真空中の電界を見積もることと、RHEED、Hall測定、REELS、ラマン分光等の結果から、提唱したモデルの妥当性を確認した。今後はダイヤモンドに表面処理を行う前と行った後の,窒素添加ダイヤモンドからの電子放出特性を比較し,表面状態の変化が電子放出特性に及ぼす影響を考察する予定である. また本研究の最終目的である撮像管の開発に向け、高濃度窒素添加多結晶CVDダイヤモンドを冷陰極に、光導電性を示すアモルファスセレン膜を陽極に用いた二極構造光検出器を試作した。この検出器は、アモルファスセレン膜の光導電性変化により冷陰極の引き出し電圧が変化し、放出電流の変調で光を検出する。光検出器に組み込まれた冷陰極の放出電流・電圧特性より、電子を引き出すための閾値電圧が150V前後と低いこと、ならびに、10-5Torrの低真空において安定した電子放出が行われていることを確認した。また、パルス光に対して光検出器が長時間にわたり安定した応答をしていることが明らかになった。この結果より、高濃度窒素添加CVDダイヤモンドを冷陰極に用いることで従来の撮像管より低電圧駆動、低真空動作、長寿命の特徴を有するような撮像デバイスの可能性が示唆された。一方、検出器の応答の時定数が1.4sと遅いことが判明し、冷陰極の引き出し電圧を独立に制御できない二極構造に起因すると推測された。今後は光検出器の応答性を改善するために、検出器を三極構造にすることを考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Okano, T.Kamio, T.Yamada, A.Sawabe, S.Koizumi: "Electron emission from N-doped homoepitaxially grown diamond"Journal of Applied Physics. 92. 2194-2197 (2002)
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[Publications] R.Horiuchi, K.Okano, N.Rupesinghe, M.Chhowalla, G.A.J.Amaratunga: "Seebeck Measurements of N-Doped Diamond Thin Film"Physica Status Solidi (a). 193. 457-461 (2002)
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[Publications] Y.Suzuki, K.Oonuki, H.Yamaguchi, Y.Okamura, K.Okano: "Triode Structure Amorphous Selenium Photodetector Driven by Diamond Cold Cathode"Electronics Letters. 38. 1711-1712 (2002)
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[Publications] Y.Suzuki, K.Oonuki, H.Yamaguchi, Y.Okamura, K.Okano: "Amorphous selenium photodetector driven by diamond cold cathode"Electron Device Letters. 24. 16-18 (2002)