2001 Fiscal Year Annual Research Report
高性能マイクロ二相流熱交換器の最適設計に関する研究
Project/Area Number |
13305015
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠木 伸英 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80107531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80222066)
|
Keywords | マイクロ二相流熱交換器 / 高性能・小型化 / 極細管 / 強制対流沸騰熱伝達 / 過熱 / 局所熱伝達率 / 管群まわり流れ / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
熱交換器の高性能化・小型化が要求されている現在,様々な形状の伝熱面を持つ熱交換器が設計・開発されてきたが,機器の小型化に伴い流れが層流に近づく為,高性能のフィン開発は困難になってきている.そこで,本研究では伝熱管として極細管のみを用いた単純な構造のマイクロ二相流熱交換器の開発を目標とする.そのため,極細管内での熱流動特性は実験的解析で,管群まわりの熱流動特性は数値計算を行うことで,高性能マイクロ二相流熱交換器の実現への指針を得る事を目的とする. まず,内径0.19mm, 0.3mmの細管に対し,2種類の作動流体について強制対流沸騰熱伝達実験を行った.その結果,一作動流体の種類によらず,低質量流束・低熱流束域において,流体が飽和温度になっても沸騰しない,過熱現象の存在が明らかになり,その過熱温度は管内径の減少に伴い増大するという極細管特有の現象を確認した.また,過去に行われてきた内径数mmでの実験から得られた局所熱伝達率に関する相関式と比較した場合,相関式から得られたものより増加する事が明らかになり,極細管を用いた高性能なマイクロ二相流熱交換器の実現可能性が示された. 次に,管群まわり流れである空気側の熱伝達,圧力損失特性を明らかにするために,レイノルズ数を10から300,管群ピッチを1.25から4.5の間で系統的に変化させた合計46ケースの管群まわり流れの熱流動解析を数値計算によって行った.得られた熱伝達、圧力損失特性にはレイノルズ数,管群ピッチ変化による流れの様相(Flow Regime)の遷移の影響が明確に現れた.それらデータの補間をニューラルネットワークによって行いデータベース化した.構築したニューラルネットワークは各列ヌッセルト数,抗力係数を順次算出する構造とし、流れの様相の遷移と熱伝達,圧力損失係数を関連づけて予測できることを示した.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 厳, 那須, 笠木, 鈴木: "極細管強制対流沸騰熱伝達に関する研究"日本機械学会熱工学講演会講演論文集. 625-626 (2001)
-
[Publications] 奥, 笠木: "電子機器冷却の為の細管群マイクロ熱交換器の最適設計"日本機械学会熱工学講演会講演論文集. 555-556 (2001)