2001 Fiscal Year Annual Research Report
衛星同期/常時共同観測による琵琶湖流域水・熱・物質循環過程の解明に関する総合研究-琵琶湖プロジェクト第3ステージ-
Project/Area Number |
13305033
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中北 英一 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70183506)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 哲 山梨大学, 工学部, 助教授 (30252521)
戎 信弘 愛媛大学, 農学部, 助教授 (60176782)
田中 賢治 京都大学, 防災研究所, 助手 (30283625)
森山 聡之 崇城大学, 工学部, 助教授 (50136537)
岩田 徹 岡山大学, 環境理工学部, 助手 (10304338)
|
Keywords | 大気陸面結合モデル / データ同化 / 常設熱収支観測 / ドップラーソーダー / 水物質流出シミュレーション / データベース / ARPS / SiBUC |
Research Abstract |
常設熱収支観測では特に森林サイトについて、メンテナンスが容易になるようにシステムを改良した。都市サイトでは湿度センサーに系統的な誤差が確認されたので、センサーのキャリブレーションを実施した。 2001年8月14日午前0時より8月15日午後9時まで典型的な夏型の気象条件(太平洋高気圧に覆われ一般風が弱い)において集中観測を実施し、GPSゾンデ、ドップラーソーダー、乱流フラックス、常設熱収支観測(水田、森林、湖面、都市)等のデータを取得した。これらの集中観測データに加え、衛星データ、アメダスデータ、GPVデータ、数値気象モデルを交えて、盆地性局地循環あるいは湖陸風の特性、それに対するローカルな地表面フラックスの影響を検討している。 メソスケール数値気象モデルARPSを日本域用に一部改良し、適用した。気象庁数値予報モデルの予報値であるGPVデータを境界条件として、3段階のネスティングにより琵琶湖プロジェクト対象領域について1kmの解像度で数値シミュレーションを実現した。またARPSのデータ同化システムADASによりデータ同化実験も実施した。初期値作成時に地上気象データ、アメダスデータ、ゾンデデータを同化することにより再現計算の精度に与える影響を検討した。また地表面条件をより現実的に表現するために、陸面過程モデルSiBUCをARPSと結合し、数値シミュレーションを実施した。 一方、流量の再現のみならず、環境微量汚染物質の媒体となるSSの計算も可能な流出シミュレーションモデルがテストされ、キャリブレーションの結果、流量の再現精度が極めて向上することが示された。 また、琵琶湖プロジェクトで収集されたデータの有効利用を促進するためにweb上で公開することを検討している。その際にXML(eXtensible Markup Language)を用いてデータベースを構築することが提案された。XMLはテキストベースなので、多量のデータ公開には不向きであるがデータの内容そのものをweb上で公開できることがユーザーの拡大につながると期待される。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 扇田尚紀, 大石哲, 池淵周一: "琵琶湖周辺におけるメソスケール水蒸気動態解明に関する研究"京都大学防災研究所年報. 第44号B-2. 411-425 (2001)
-
[Publications] Oishi S., N.Ohgita, E.Nakakita, S.Ikebuchi: "Effect of Water Vapor on Advection of Convective Rainfall Cells around the Lake BIWA,JAPAN"Fifth International Symposium on Hydrological Application of Weather Radar. 171-176 (2001)
-
[Publications] 戎信宏, 西川敦, 近藤昭彦, 中北英一, 田中賢治: "森林地における正規化植生指標と葉面積指数、蒸発散の季節変化に関する研究"第3回水文過程のリモートセンシングとその応用に関するワークショップ. (印刷中). (2002)
-
[Publications] Ebisu, N., A.Nishikawa, A.Kondo, E.Nakakita, K.Tanaka: "Relationship between Normalized Difference Vegetation Index by Ground Observations and Evapotranspiration at Forested Areas on the Lake Biwa Project"AGU 2001 Fall Meeting,San Francisco,California. (2001)
-
[Publications] 田中賢治, 石岡賢治, 中北英一, 池淵周一: "水田・湖面における熱収支の季節変化-琵琶湖プロジェクトより-"京都大学防災研究所年報. 第44号B-2. 427-443 (2001)
-
[Publications] Tanaka, K., H.Hayashi, E.Nakakita, S.Ikebuchi: "Energy and Water Budget of Paddy Field in the Lake Biwa Basin,Japan"Proc.of the International Workshop on GAME-AAN/Radiation,GAME Publication. No.28. 55-58 (2001)