2003 Fiscal Year Annual Research Report
VGCFを用いた超高熱伝導性C/Cコンポジットの調製と熱伝機能の評価
Project/Area Number |
13305050
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
遠藤 守信 信州大学, 工学部, 教授 (10021015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 敬 長野工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (10141889)
押田 京一 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (90224229)
林 卓哉 信州大学, 総合情報処理センター, 助教授 (80313831)
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Keywords | C / C複合材料 / VGCF / 熱伝導性 / カーボンナノチューブ / 炭素繊維 / ブレカーサ |
Research Abstract |
本研究は、多層カーボンナノチューブである気相成長炭素繊維(VGCF)の特長である汎用材料中最高の熱伝導率K(1000〜2000W/m・K)を有している点に着目し、VGCFを中心に直径がナノメートルのVGNF(気相成長ナノファイバー)や各種カーボンナノチューブを用いて炭素/炭素複合材料を調製し、高熱伝導性C/Cコンポジットの熱伝機能の評価と解析、その他の機能性の評価と応用法の検討を目的としている。ことにナノレベルでの微視的な構造解析と熱伝や他の機能の発現、構造との相関性解析にも注目している。 本年度は最終年度であり、各種のC/C複合材にカーボンナノチューブを用いてC/C複合材用のプレカーサ(前駆体)として樹脂複合材を調製し、これについて熱伝導率を計測、評価し、さらにそれを炭化、黒鉛化してC/C複合材を得た。すなわち、最適なプレカーサ構造を選択し、そのプラスチック複合材(プレカーサ)を900〜2800℃で炭化・黒鉛化してC/C(ナノファイバー、ナノチューブ、炭素繊維)複合材料を得た。独特のプロセスを使って直径10〜30mmの円盤状C/C複合材サンプルが調整できた。サンプルの熱伝特性は厚さ方向で70〜数100W/mK(室温)の熱伝導性が計測されたが(室温)、測定箇所によって熱伝導性にばらっきが見られ明確な数値が特定できなかった。これから、ナノチューブの分散性を解析する必要があり、プラスチック複合材中のナノチューブ分布の精緻な解析が必要と考えられた。また第二フィラーとしてのカーボンファイバーの添加を熱伝導性の向上法として検討する必要が考えられた。特にプレカーサ調製、C/C複合材焼成において熱的膨張、フィラーの伸縮などで大きな困難が伴ったが、目的のサンプルが完成できた。またプレカーサの調製が極めて困難であったが、その調製を可能にし、プレカーサとC/C複合材の熱伝導性の相関について考察した。本研究によって多くのプロセス上の問題点を明らかとし、また表記C/C複合材を得ることができ、科学と技術の両面で、熱ならびに新機能性材料の可能性が開拓できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.A.Kim, T.Hayashi, K.Osawa, M.Endo, M.S.Dresselhaus: "Cone-type multi-shell in the hollow core of multi-wall carbon nanotube"Chemical physics letters. No.367. 537-540 (2003)
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[Publications] M.Endo, Y.A.Kim, T.Hayashi, T.Yanagisawa, H.Muramatsu, M.Ezaka, H.Terrones, M.Terrones, M.S.Dresselhaus: "Microstructural changes induced in ''stacked cup'' carbon nanofibers by heat treatment"Carbon. Vol.41. 1941-1947 (2003)
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[Publications] M.Endo, B.J.Lee, Y.A.Kim, Y.J.Kim, H.Muramatsu, T.Yanagisawa, T.Hayashi, M.Terrones, M.S.Dresselhaus: "Transitional behaviour in the transformation from active end planes to stable loops caused by annealing"New journal of physics. No.5. 121.1-121.9 (2003)