2004 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解CARS法による強い衝撃波背後の振動・回転温度測定
Project/Area Number |
13305064
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前野 一夫 千葉大学, 工学部, 教授 (30133606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 和弘 千葉大学, 工学部, 助手 (10361411)
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Keywords | CARS / 衝撃波 / 輻射非平衡流れ / 極超音速流 / パルスレーザー / スペクトルマッチング / 振動・回転温度 / 高温空気プラズマ |
Research Abstract |
本年度は科学研究費の最終年度であり、これまで開発改良された緩衝型中圧管と光学系計測システムを用いて、CARS信号の確実な取得検証を行った。まず低圧空気、あるいはマッハ数10を越える強い衝撃波背後の流れに対し、トリガー系とレーザー励起光信号系に工夫を加え、狭帯域で充分なCARS信号を得ることができた。次に広帯域色素レーザーを用いて、所定の振動・回転温度を得るのに充分な波長域のCARS信号の取得を試み、測定部形状を工夫することで、マッハ数15以上の強い衝撃波背後の流れからのCARS信号を得ることができた。 次に、計測CARS信号に対して、スペクトルマッチング法を用いて強い衝撃波背後の輻射非平衡流れにおける窒素気体分子の振動・回転温度などの必要な情報を得るために、本研究では測定系スリット幅や振動・回転温度をパラメトリックに変化させてCARSスペクトル分布を得る計算プログラムを開発した。その結果、計算CARSスペクトルと、測定スペクトルとを最小二乗近似によりマッチングさせることで、窒素分子の振動・回転温度を得ることができた。さらに、測定・計算両CARSスペクトルには高波数域で不一致が見られたため、3次の非線形感受率の中の非共鳴項を考慮することで、両スペクトル比較の結果に良い一致を見ることができた。 以上の研究開発により、マッハ数15以上の強い衝撃波背後の輻射非平衡高速空気流に対して、10nsレベルの高時間分解能・高空間分解能のCARS信号を取得でき、その信号から、窒素気体分子の振動・回転温度を衝撃波面後方の空間分布として得ることが世界で初めて可能となった。以上の研究成果は高く評価され、国内の学会(流体力学講演会、衝撃波シンポジウム)はもとより、国際学会(宇宙技術・科学国際シンポジウム(ISTS)、高速度撮影とフォトニクス国際会議(SPIE:招待講演)、AIAA Reno Aerospace Meeting)で発表されている。
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Research Products
(7 results)