2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13306005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥野 哲郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00221151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海道 真典 京都大学, 農学研究科, 助手 (20314247)
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Keywords | 植物ウイルス / RNAウイルス / RNA複製酵素 / RNA複製 / キャップ構造 / ダイアンソウイルス / 3'-非翻訳領域 / 翻訳 |
Research Abstract |
Red clobber ecrotic mosaic virus (RCNMV) は、2分節のプラスセンスRNAをゲノムとする植物ウイルスである。本研究では、1)RCNMV RNA1とRNA2の翻訳とRNA複製に関与するRNAシス因子(塩基配列と構造)の解析、2)RNA1からのサブゲノムRNAの転写とサブゲノムRNAからのタンパク質翻訳に関与するRNAシス因子(塩基配列と構造)の解析、3)in vitroでのゲノムRNAの完全複製系の構築、4)ウイルス複製酵素タンパク質p27とp88の細胞内局在性と複製における機能解析を行っている。 平成14年度の成果概要:以下のことを明らかにした。1)RCNMVのゲノムRNA1と2いずれの5'末端にもキャップ構造が存在しないこと、そして、RNA1の3'非翻訳領域(3'-UTR)、その中の66塩基中含まれるステムループ領域がキャップ非依存性の翻訳に重要である。2)RNA2のキャップ非依存性の翻訳はRNA2とRNA1の複製とリンクしている。3)RNA2の複製には5'-UTRと3'-UTR以外に、RNA2に存在するORFの3端側領域33塩基のシス配列が必要である。又、この領域は、RNA1からのサブゲノムRNAの転写には影響しないが、サプゲノムRNAからのタンパク質翻訳に影響する。4)BY2培養細胞から液胞を除いた細胞抽出液(北大の石川らの方法)を用い、RCNMVのタンパク質とRNAが合成されることを確認した。5)RCNMV感染ササゲプロトプラストでp27を特異的に検出できる抗体を作製した。 特に注目すべき成果は、RCNMV RNA2キャップ非依存性の翻訳活性が、RNA2と物理的に相互作用することが分かっているRNA1の複製と関係していることを示したこと、また、RNA2の複製に必要な因子がサブゲノムRNAの翻訳活性と関係していることを明らかにしたことである。これらの結果は、RNA-RNA分子間相互作用が翻訳に重要な役割を果たしていることを示唆するものであり、真核生物新たな翻訳制御機構の解明につながると考えられる。これらの結果は、J. Virol.に投稿中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Dohi, K.: "Analysis of molecular structure of Brome mosaic virus RNA-dependent RNA polymerase complex using monoclonal antibodies"J. Gen. Virol.. 83. 2879-2890 (2002)
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[Publications] N.Morishima: "Infectious in vitro transcripts from a cDNA clone of Tobacco mild green mosaic tobamovirus and its biological activity in host and non-host plants and in their protoplasts"J. Gen. Plant Pathol.. 69(未定). (2003)
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[Publications] A.Takeda: "Identification of a novel RNA Silencing suppressor, NSs protein of Tomato spotted wilt virus"FEBS Letters. 26752. 1-5 (2002)
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[Publications] H.Mizumoto: "The 3'-Untranslated Region of RNA1 as a Primary Determinant of Temperature Sensitivity of Red clover necrotic mosaic virus Canadian Strain"Virology. 293. 302-327 (2002)
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[Publications] Tri, A.Damayanti: "Positional Effect of Deletions on Viability, Especially on Encapsidation, of Brome mosaic virus D-RNA in Barley Protoplasts"Virology. 293. 314-319 (2002)
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[Publications] H.Hamada: "Amino Acid Changes in Pepper mild mottle virus Coat Protein that Affect the L^3 Gene-mediated Resistance in Pepper"J. Gen. Plant Pthol.. 68. 155-162 (2002)
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[Publications] 杉山量彦, 海道真典, 奥野哲郎: "化学と生物 セミナー室 (植物ウイルスを利用したノックアクト植物)"学会出版センター. 6 (2003)