2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え好熱細菌を利用した家畜排泄物からのエタノール生産システムの開発
Project/Area Number |
13306021
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
小島 洋一 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (80046490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 孔志 京都府立大学, 農学研究科, 助手 (60254322)
牛田 一成 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (50183017)
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Keywords | セルラーゼ / エタノール / 好熱細菌 / 家畜排泄物 / セルロース |
Research Abstract |
相同性組換えによるセルラーゼ遺伝子の挿入箇所として乳酸脱水素酵素(LDH)遺伝子を選定し、昨年度に引き続きThermoanaerobacter ethanolicusからLDH遺伝子の単離および塩基配列の決定を行った。その結果、この遺伝子は936bpからなる推定33.6kDaのタンパク質であり、Clostridium thermocellumのLDHと高い相同性を示した。Clostridium stercorariumから単離したセルラーゼ遺伝子CelYとCelZをLDH遺伝子内に組み入れ、相同性組換えを行ったが有効な組換え体は得られなかった。相同性組換えには前後1kbp程度の長さが有効であることから、現在さらに上流の塩基配列を決定しているところである。また、ランダムにCelYとCelZ遺伝子を挿入するために、EZ : TNトランスポゾンを使って組換え体の作出に着手した。EZ : TNトランスポゾン内部にCelYとCelZ遺伝子を挿入し、EZ : TNトランスポザーゼとともにエレクトロポレーション法によってT. ethanolicusに導入した。しかし、有効な組換え体は得られておらず、おそらく宿主の持つ制限酵素系によって組換えトランスポゾンが分解されていると思われた。そこで、タイプ1の制限酵素系を不活化する阻害剤とともに導入する方法を現在検討中である。さらに、セルロース分解能を持つがエタノール生成能力の低いC. thermocellum ATCC 31549株のヒドロゲナーゼをノックアウトしてエタノール生成量を増やすことにも取り組んだ。ヒドロゲナーゼの単離および塩基配列の決定を行った結果、約700bpの断片が単離され、その塩基配列から推定されるアミノ酸配列を基に相同性検索を行い、C. thermocellum ATCC 27405株のヒドロゲナーゼと97%の相同性を示し、現在さらにシーケンス領域を拡張している。
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