2001 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動調節系としての神経・ペースメーカー・免疫のクロストーク - 消化管機能改善による動物生産性向上のための基盤研究 -
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13306023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
唐木 英明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60011912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90205914)
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70211547)
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30134505)
彦野 弘一 独立行政法人動物衛生研究所, 研究員
百渓 英一 独立行政法人動物衛生研究所, 室長(研究職)
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Keywords | マクロファージ / 腸 / 炎症 / プロスタグランジン / 平滑筋 / 収縮性 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
消化管の筋層間に均一に分布しているマクロファージ(筋層間常在型マクロファージ)は、蠕動運動をコントロールする壁内神経細胞やカハール介在細胞に近接して存在する。このため、消化管運動系との相互反応が予想され、これらマクロファージが特に消化管病態時における運動障害に関わる可能性が示唆されている。 本年度は、下記の項目について検討した。 (1)筋層間常在型マクロファージの単離を行い成功した。この細胞では、ATP、血小板凝集因子PAF、LPS刺激により細胞内Ca濃度の増加を生じることを明らかにした。 (2)クローン化された肥満細胞であるRBL2H3細胞を用いて抗原刺激による脱顆粒と細胞内Ca動員機構に対するIP_3とアクチン細胞骨格系の機能について検討した。 (3)神経、カハール介在細胞、筋層間マクロファージの形態学的立体配置の解析を行い、その一部を解明した。 (4)Gap junctionの消化管収縮能に対する役割を検討するため、connexin抑制薬、18β-glycyrrhetinic acidの細胞間Ca情報伝達に対する作用を検討した。その結果、Ca waveを抑制することが分かった。 (5)筋層間常在型マクロファージの細胞生物学的な特徴を検討するため、ラット消化管常在型マクロファージの純度の高い単離法を検討し、確立した。 (6)TNBs投与による腸炎モデルを作成し、その腸管の収縮性を検討した。その結果、TNBs処置ラットの病変部(結腸)における、自動能の頻度と最大張力が抑制され、また、IκB kinase(IKK)阻害剤であるピロリジンジチオカルバメートやサルファサラジンを前投与したラットにおいては、TNBs処置による消化管運動障害は有意に減弱することを見いだした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K-J Won, S Torihashi, M Mitsui-Saito, M Hori, K Sato, T Suzuki, H Ozaki, H Karaki: "Increased smooth muscle contractility of intestine in the genetic null of the endothelin ETB receptor, a rat model for long-segment Hirschsprung's disease"Gut. 50. 355-360 (2002)
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[Publications] S.Torihashi, M.Hori, H.Ozaki: "Macrophages in muscle layer of gastrointestinal tract : Impairment of muscle contraction by treatment with lipopolysaccharide"Acta. Histochem. Cytochem.. 34. 219-222 (2001)
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[Publications] J.Anabuki, M.Hori, K.Hayakawa, S.Akahane, H.Ozaki, H.Karaki: "Muscarinic stimulation does not induce RhoA/ROCK mediated Ca^<2+> sensitization of contractile element in chicken gizzard smooth muscle"Pflugers Arch. Eur. J. Physiol. 441. 189-199 (2000)
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[Publications] M.Hori, M.Kita, S.Torihashi, S.Miyamoto, K.-J.Won, H.Ozaki, H.Karaki: "Up-regulation of iNOS by COX-2 in muscularis resident macrophage of rat intestine stimulated with LPS"Am. J. Physiol.. 280. G930-G938 (2001)
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[Publications] S.-C.Kwon, H.Ozaki, H.Karaki: "Mechanisms of the inhibitory effect of NO donor, sodium nitroprusside, on excitation-contraction coupling in guinea-pig taenia coli"Am. J. Physiol.. 279. G1235-G1241 (2000)