2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ骨破壊に対する分子標的治療法の開発に関する研究
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13307044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
織田 弘美 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60101698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 広 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20334229)
田中 栄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50282661)
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Keywords | インターフェロン / C-Fos / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本年度はI型インターフェロン(IFN-β)の破骨細胞分化制御における意義をI型IFN受容体であるIFNAR1の欠損マウスとIFN-β欠損マウスを用いて検討した。その結果、IFN-βが破骨細胞分化因子RANKLのシグナル自体で誘導され、RANKLシグナルを抑制するネガティブフィードバック因子であることが明らかとなった。これらのI型IFNシグナル欠損マウスにおいては、破骨細胞の形成の異常亢進と骨粗鬆症が観察されることから、このシグナル系が骨代謝の制御において重要な役割を果たすことが証明された。IFN-βによる破骨細胞分化抑制は、破骨細胞分化に必須な転写因子c-Fosのタンパクレべルでの発現抑制に起因しており、レトロウイルスベクターを用いてc-Fosを過剰発現すれば、この抑制効果は解除可能であった。さらに、ウイルス感染時におけるI型IFNの誘導においては、IRF-3やIRF-7といったIRFファミリーの転写因子が必須であることが知られていたが、RANKLによるIFN-βの誘導にはこれらの因子は必須ではなく、C-Fos自体が重要であることも発見した。これらの知見に基づき、実際に炎症性骨破壊モデルや骨粗鬆症モデル動物の治療実験を行い、IFN-βが骨破壊や骨吸収の抑制において生体内でも有効であることを解明した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takayanagi H, Kim S, Matsuo K, Suzuki H, Suzuki T, Sato K, Yokchi T, Oda H, Nakamura K, Ida N, Wagner EF, Taniguchi T: "RANKL maintains bone homeostasis thorough c-Fos-dependent induction of IFN-β"Nature. (In press).
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[Publications] Sato K, Hida S, Takayanagi H, Yokochi T, Kayagaki N, Takeda K, Yagita H, Okumura K, Tanaka N, Taniguchi T, Ogasawara K: "Antiviral response by natural killer cells through TRAIL gene induction by IFN-α/β"Eur J Immunol. 31. 3138-3146 (2001)
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[Publications] Yamamoto A, Miyazaki T, Kadono Y, Takayanagi H, Miura T, Wakabayashi K, Nisimura H, Katada T, Oda H, Nakamura K, Tanaka S.: "Requirement of Both NF-B and JNK Pathways for Osteoclastogenesis Induced by Receptor Activator of NF-B Ligand (RANKL)."Journal of Bone and Mineral Research. (In press).
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[Publications] 高柳 広: "高柳 広"リウマチ科. 25(5). 461-467 (2001)
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[Publications] 高柳 広: "T細胞による破骨細胞制御機構-IFN-γの関与-"臨床免疫. 36(6). 930-936 (2001)