2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症極前期の網膜内病態、その分子生物学的機序の解明
Project/Area Number |
13307049
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
高木 均 京都大学, 医学研究科, 講師 (70283596)
柏井 聡 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50194717)
鈴間 潔 京都大学, 医学研究科, 助手 (80335265)
西脇 弘一 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303841)
高橋 政代 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80252443)
|
Keywords | 糖尿病網膜症 / VEGF / Ang2 / AT1受容体 / AT1ノックアウトマウス / レニン・アンジオテンシン系 / レプチン / 網膜血管増殖 |
Research Abstract |
VEGFが網膜症の発症にも重要な働きをしていることが強く示唆されており、本研究では虚血領域を形成していない糖尿病患者網膜においてどのような分子機構によりVEGFの発現が亢進するのかを明らかにする。我々は網膜症眼でのレニン-アンジオテンシン系の役割として網膜内皮細胞ではAng2を選択的に増加させることを見出した(Diabetes2001;50:867-875)。こうした作用はAT1受容体を主に介しており、さらにAT1受容体ノックアウトマウスを用いた検討を行っている。wild Type(C57BL/6J)とAT1受容体ノックアウトマウスをstreptozotocin(STZ)投与により糖尿病化し、網膜の変化を定時的に検索している。血圧はATIK0マウスにおいて有意に低下しており、VEGFの変化と白血球、血管透過性変化とを検討中である。今後網膜症初期病変におけるレニン・アンジオテンシン系によるVEGF発現制御の機構についての検討を展開する。一方、糖尿病患者での血中や硝子体内濃度が亢進しているレプチンの関与についても検討している。レプチンは血管新生因子でもあることが報告されたが、網膜血管にはレプチン受容体が顕著に発現しており、レプチンを欠損した遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)及び野生型マウスレプチン欠損マウスをもちいて網膜血管新生への影響を検討中である。ob/obマウスでは野生型マウスに比較して網膜血管増殖が抑制された。網膜症進展への関与が示唆され、今後さらにマウス網膜モデルや培養網膜血管細胞を用いて、VEGF発現や、EGF細胞シグナル伝達に及ぼす影響を検討していく予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Otani A, Takagi H, Oh H, Koyama S, Honda Y: "Angiotensin-II induces expression of the Tie2 receptor ligand, angiopoietin-2, in bovine retinal endothelial cells"Diabetes. 50. 867-875 (2001)
-
[Publications] Otani A, Takagi H, Oh H, Koyama S, Ogura Y, Matsumura M, Honda Y: "Vascular Endothelial Growth Factor Family and Receptor Expression in Human Choroidal Neovascular Membranes"Micrevascular Res.. (in press).
-
[Publications] Takagi H, Suzuma K, Otani A, Oh H, Koyama S, Ohashi H, Honda Y: "Role of Vitronectin Receptor-Type Integrins and Osteopontin in Ischemia-Induced Retinal NeovascuIarization"Jpn J Ophthalmol. (in press).
-
[Publications] Miyamoto M, Manaki M, Takagi H, Suzuma I, Suzuna S, Honda Y: "Contrasting Effect of Estrogen on VEGF Induction under Different Oxygen Status and Its Role in Murine Retinopathy of Prematuity"Invest Ophthalmol Vis Sci. (in press).