2001 Fiscal Year Annual Research Report
沖積平野の形成過程における土砂貯留機能および炭素蓄積機能の評価
Project/Area Number |
13308004
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
藤本 潔 南山大学, 総合政策学部, 助教授 (50329752)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 講師 (40325353)
石塚 成宏 森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究官
大平 明夫 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (00262824)
志知 幸治 森林総合研究所, 東北支所, 研究員
|
Keywords | 沖積平野 / GIS / 土砂貯留量 / 炭素蓄積 / 炭素安定同位対比 / 花粉分析 |
Research Abstract |
今年度は最初の試みとして十勝川平野を対象として調査・分析を行った。まず、地下構造の把握のため129地点(機械ボーリング86地点、ハンドボーリング43地点)のボーリング資料を用い、各層(沖積陸成層、上部砂層、中部泥層、下部砂層)境界の標高値をデータベース化した。沖積陸成層は泥炭堆積域(後背湿地)と無機質堆積物堆積域(氾濫原)とに分割した。これらデータをArcView 3D Analystで解析することにより、各層の空間分布を3次元的に表現すると共に、各層の体積を試算した。一方、下部砂層に達する深度30mまでの不攪乱コアの採取を2地点で試み、砂層部分の一部を除き連続的な採取に成功した。採取した不攪乱コアは、縦方向に2分割し、容積重測定試料と各種分析試料をそれぞれ10cm刻みで採取した。また、氾濫原堆積物は均質性に欠けるため、小型エンジン付きハンドボーリング機械を用い、深度3m程度までの分析試料を4地点で採取し、容積重および炭素含有率はそれらの平均値を用いることとした。海成無機炭素の混合割合を推定するため、1N HClで無機炭素を除去した試料と無処理試料のそれぞれについて炭素含有率および炭素安定同位体分析を行った。このようにして求めた各層の堆積土砂量、容積重および炭素含有率を用い、完新世に堆積した沖積層中の炭素蓄積量を試算した。また、土砂貯留速度および炭素蓄積速度を見積もるため、不攪乱コアから得られた7試料について^<14>C年代測定を行った。さらに、この間の周辺域の植生変化と沖積低地上の植生状態を推定するため、採取したボーリング試料に対して花粉分析を行うと共に、炭素安定同位体分析も行い、貯留炭素の起源、特に陸成有機物と海成有機物の混合割合の推定も試みた。
|