2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13308013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸野 洋久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00141987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 武司 独立法人農業生物資源研究所, ゲノム研究グループ, 研究員
北田 修一 東京水産大学, 大学院・水産学研究科, 教授 (10262338)
鷲谷 いづみ 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191738)
中道 礼一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員
立田 晴記 国立遺伝学研究所, COE研究員 (50370268)
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Keywords | 希少集団と遺伝的浮動 / 集団構造と連鎖不平衡 / 近交弱勢と分離比の歪み / 他殖性生物のQTL解析 / 多型マーカー / ウイルス分子進化 / 進化速度の変化 |
Research Abstract |
フィールド保全生物学者と統計学者が密接に協力し、データ取得から分析手法の開発、データ解析まで一貫して作業をおこない、本年度は以下の研究を行った。 1.継時的に採られたウイルス遺伝子から進化速度と集団サイズを同時推定する方法を開発し、宿主間変動を検討した。また、進化速度の変化を検出する階層モデルを複数遺伝子の場合に拡張した。 2.希少植物の保全においては、近交弱勢の遺伝因子となる分離比の歪みを引き起こす部位を検出し、この領域の多型性を維持するようにモニターすることが重要となる。このために、linkage phaseの不確定性を考慮に入れて他殖性生物のQTL解析を行う手法を開発した。またサクラソウにおいて、QTL解析を行うための家系を5家系約100個体ずつ作成し、光合成特性、展葉・開花フェノロジー、自家和合性、花器形態などの形質を測定し、ジェネット間変異を確認した。 3.東南アジア中西から広範にわたりハマダラカを採集し、ミトコンドリアCOI、COII遺伝子およびマイクロサテライト11座位を解析した。後者においては、遺伝子型頻度をHW集団に分解して集団の構造を調べ、ミトコンドリアからの結果と対比した。特に本年度は、他に比べ隔絶された小集団を形成するAn. Dirus Cを重点的に標本採集し、解析を行ったところ、遺伝的浮動が観察された。 4.北スペインにおけるヒナバッタ2種の交雑帯の音声による生殖前隔離の遺伝的背景を調べるために、野外で採集された個体から戻し交雑実験を行った。音声特徴の自動抽出プログラムを開発するとともに、AFLPマーカーのタイピングに着手し、QTL解析に備えた。 5.栽培漁業対象種のマダイについて、経験ベイズ法により種苗放流が天然集団に与える遺伝的影響を調べた。また,マイナーなハプロタイプをまとめることが遺伝的分化の推測に与える影響についても検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Seo T-K., Thorne JL., Hasegawa M, Kishino H: "Estimation of Effective Population Size of HIV-1 within a Host : A Pseudo-maximum likelihood approach"Genetics. 160-4. 1283-1293 (2002)
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[Publications] Thorne JL, Kishino H: "Divergence time and evolutionary rate estimation with multilocus data"Systematic Biology. 51-9. 689-702 (2002)
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[Publications] Ueno SI, Washitani I, Tsumura Y: "Development of microsatellite markers in Primula sieboldii E. Morren, a threatened Japanese perennial herb"Conservation Genetics. (in press). (2003)
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[Publications] Nakano C, Washitani I: "Variability and specialization of plant-pollinator systems in a northern maritime grassland"Ecological Research. (in press). (2003)
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[Publications] Kitada S, Kishino H: "Empirical Bayes estimation of genetic differentiation among populations : Examining genetic effect hypotheses of hatchery fish on wild populations"In : Proccedings of the second international symposium on stock enhancement and sea ranching (Eds.K.M.Leber KM et al.), Blackwell Science, Oxford.. (in press). (2003)
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[Publications] Tatsuta H., Butlin RK: "Amplified fragment length polymorphism for assessing genetic structure in grasshopper populations"Journal of Orthoptera Research. 10-2. 203-207 (2002)