2001 Fiscal Year Annual Research Report
森林火災の抑制技術開発のための高電圧・大電流放電による木材の着火機構の基礎的研究
Project/Area Number |
13309001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
早坂 洋史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40142195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 好弘 札幌市消防局, 消防科学研究所, 主任研究員
関岡 昇三 (株)関西テック, 技術研究員
河崎 善一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60126852)
橋場 幸宗 札幌市立高等専門学校, 教授 (00237926)
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Keywords | 森林火災 / 雷 / 着火機構 / 北方林 / 地球温暖化 / くん焼 / 泥炭 / 環境破壊 |
Research Abstract |
平成13年7月に、アラスカにおける雷の種々の特性調査、落雷密度や森林火災頻発地帯の調査、森林火災の最初の着火物と考えられる燃料試料(木・コケ・泥炭など)の収集及び調査を行った。8月には、シベリヤでの落雷木や森林火災に関する調査、インドネシアでの泥炭火災に関する調査も行った。 実験の方は、8月に、小型放電装置による燃料の着火基礎実験を行い、高速度撮影装置の映像により着火現象を詳細に観察し、試料の角材(建材)での力学的破壊現象を確認した。 引き続いて11月の実験では、試料に樹皮つきの生木を1m長さに切断して使用した。この実験により、放電は樹皮と胴の間の比較的水分の多い所を直線的に進むことがわかった。また、ビデオ映像より、樹皮の小片での飛散現象、胴から垂直方向に蒸気の発生すること、松ヤニなどが部分的に赤く発光していること、などが確認できた。 これら基礎実験の結果を踏まえて、来年度は電力中央研究所の所有する、関西テックの装置よりも、さらに大型の高電圧・大電流放電装置などを使って、着火実験を行う予定でいる。屋外実験場に生えている木を使い、根本部分に、泥炭やコケなどを敷き詰めての、より自然に近い条件での実験を行う予定でいる。 本年度の成果は、12月の燃焼シンポジウムで既に一部報告した。また、アラスカの雷と森林火災の調査結果も加えて、4報の報告を伝熱シンポジウムで行う予定でいる。この他、日本火災学会や日本建築学会での講演に加え、国際学会としては、8月にロシアで行われる、"BOREAL FOREST AND ENVIRONMENT : LOCAL, REGIONAL AND GLOBAL SCALES"への参加を検討中でいる。
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Research Products
(2 results)