2002 Fiscal Year Annual Research Report
伝統都市の社会=空間構造と諸類型に関する基盤的研究
Project/Area Number |
13309005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 伸之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40092374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉森 哲也 放送大学, 教養学部, 助教授 (20226468)
近藤 和彦 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (90011387)
伊藤 毅 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20168355)
鈴木 博之 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00011221)
塚田 孝 大阪市立大学, 文学部, 教授 (60126125)
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Keywords | 伝統都市 / 社会=空間構造 / 分節構造 / 身分的周縁 / 市場社会 / 商人 / 民衆世界 / 宗教的要素 |
Research Abstract |
本研究は、現代都市の歴史的基層にある伝統都市の形質を、特に社会=空間構造の分節的な特質に着目して、欧米の諸伝統都市を含めて、その類型的な把握を試みようとするものである。第二年目にあたる2002年度は、主軸テーマ「伝統都市と消費構造」、及び副軸テーマ「市と商人」の二つを研究課題の設定した。研究実績の概要は以下のようである。 1.これら二つの研究課題をめぐって、2002年11月2〜3日に東京大学大学院工学研究科において「消費の社会=空間史」と題するシンポジウムを開催した。ここでは、大黒俊二、ギヨーム・カレ、初田亨、川勝守生、戸森麻衣子、吉澤誠一郎、岩本馨の7氏による報告を得て、会場の多数の参加者とともに活発に議論した。その成果の詳細は『年報・都市史研究』11号(山川出版社、2003年10月刊行予定)に掲載する予定である。 2.公開の研究会(都市史研究会)を以下の3回開催した。(会場は(1)(2)東京大学工学部、(3)長野県飯田市りんご庁舎)(1)2002年6月8日:永原健彦、岩本馨両氏の研究報告、(2)2002年10月12日:宮崎勝美、金行信輔両氏による藤川昌樹『近世武家集団と都市・建築』の書評、(3)2003年3月15日:マーテイン・モリス、藤田雅子両氏の研究報告。 3.2002年11月に開催したシンポジウムを中心に、前年度の研究成果を『年報・都市史研究』10号「特集・伝統都市の身分的周縁」(山川出版杜、2002年10月)に掲載した。 4.本研究課題における役割分担に応じ、各研究分担者・研究協力者において、それぞれ史料の調査・収集・研究に務めた。特に維新期の東京市中関係史料の収集、日本橋北地区の近世・近代史料所在調査、江戸や城下町飯田を中心とする都市絵図の調査と収集・デジタル化などで、いくつかの成果を上げた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 塚田 孝: "都市史研究と身分的周縁"年報・都市史研究. 10. 2-10 (2002)
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[Publications] 西坂 清: "越後屋の奉公人組織と子供"年報・都市史研究. 10. 23-32 (2002)
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[Publications] 吉田 ゆり子: "神仏分離と門前町坂本"年報・都市史研究. 10. 85-97 (2002)
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[Publications] 塚田 孝: "近世・寺院社会の地域史"歴史評論. 623. 68-85 (2002)
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[Publications] 北村 優季: "首都論と日本古代の都城"日本史研究. 476. 4-18 (2002)
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[Publications] 高橋 慎一朗: "鎌倉期の都市京都における「在地人」"日本史研究. 481. 57-75 (2002)
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[Publications] 吉田 伸之: "成熟する江戸(「日本の歴史」17巻)"講談社. 382 (2002)