2001 Fiscal Year Annual Research Report
ティシューエンジニアリングを目的とする多光子生体造形装置の試作
Project/Area Number |
13355004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 収 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90192674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 康志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60294047)
セカットズ ヘア 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80314376)
小田山 正人 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30183255)
田名綱 建雄 横河電機(株), バイオ計測研究室, 室長(研究職)
杉浦 忠男 奈良先端科学大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
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Keywords | 光造形 / ティシューエンジニアリング / 多光子過程 / 光重合剤 / フェムト秒レーザー |
Research Abstract |
まずはじめに、光造形装置を実際に製作した.マイクロティシューエンジニアリングに最適な波長を求めた.励起光源には現有のモードロックチタンサファイアレザーを用いた.波長変換したパルス光(パルス幅100フェムト秒、中心波長800mm)を用い、そのパルス光を光重合性生体材料内に集光することで、集光スポット内での多光子吸収(2光子吸収)による光重合反応を誘起した.材料内の光重合スポットは1組のガルバノメーターミラー(現有、角度精度O・5μrad.,対物レンズ下での空問精度50nm)を用いて面内方向に、ピエゾスキャナー(現有、空間精度5nm)を用いて光軸(深さ)方向に走査され、生体組織の骨組みとなる構造を形成する.装置は、後の細胞培養の必要性を考慮した上で、倒立型システム顕微鏡(新規購入)を改造して製作した.また、微弱光観察のために、光検出器、蛍光相関器、イメージインテンシファイアを購入する.(以上中村、井上担当) 光重合生体材料としては、主な細胞の足場となるタンパク質とほぼ同じ組成をもつ光重合性ゼラチンを用いた.この材料を造形する際の最大空間分解能、それを与える実験条件(レーザー光強度、照射時間、パルス幅、波長)および最大造形深度(厚さ)を、製作した造形装置を用いて求めた.また、材料の硬化速度を測定することで、いくつかの造形条件下における材料の硬化状態(粘度、硬化ゼラチン密度)を調べた.(以上、杉浦、田名網担当) 次に、硬化させた光重合性ゼラチン上および内部において神経細胞、筋細胞および内皮系細胞の培養を行い、また、ゼラチンの硬化状態と細胞の生理状態との関係を調べた.新規購入でのパッチ・フォールセルクランプ用増幅器によって細胞の電気生理を調べた.これらの実験を行いながら、生体に適合し、かつ高い造形分解能が得られるよう実験条件を詰めた.(以上、小山田、セカット担当)
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Research Products
(6 results)
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[Publications] N.Smith, K.Fujita, O.Nakamura, S.Kawata: "Three-dimentional subsurface microprocessing of collagen by ultrashort laser pulses"Applied Physics Letters. 78・7. 999-1001 (2001)
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[Publications] N.Smith, K.Fujita, T.Kaneko, K.Kato, O.Nakamura, S.Kawata, T.Takamatsu: "Generation of calcium waves in living cells by pulsed-laser-induced photodisruption"Applicd Physics Letters. 79・8. 1208-1210 (2001)
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[Publications] K.Goto, T.Nakagawa, O.Nakamura, S.Kawata: "An implantable power supply with an optically rechargeable lithium battery"IEEE Trans. Biomed. Eng.,. 48・7. 830-833 (2001)
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[Publications] K.Goto, T.Nakagawa, O.Nakamura, S.Kawata: "Near-infrared light transcutaneous telemetry system having an implantable transmitter driven by external laser irradiation"Rev. Sci. Instrum.,. 72・7. 3079-3085 (2001)
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[Publications] M.Gu, D.Day, A.O.Nakamura, S.Kawata: "Three-dimensional coherent transfer function for reflection confocal microscopy in the presence of refrctive-index mismatch"J.Opt. Soc. Am. A,. 18・8. 2002-2008 (2001)
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[Publications] Y.Kawata, M.Murakami, C.Egami, O.Suhihara, N.Okamoto, M.Tsuchimori, O.Watanabe, O.Nakamura: "Nonoptically probing near-field microscopy for the observation of biological living specimens"Applied Physics Letters. 78・15. 2247-2249 (2001)