2002 Fiscal Year Annual Research Report
磁気的効果の導入による半導体パワーデバイスの大容量化と高速化
Project/Area Number |
13355012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石井 彰三 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40016655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 雄一郎 日本碍子株式会社, ものづくりセンター・パワエレPJ, マネージャー
井深 真治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262277)
安岡 康一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00272675)
清水 尚博 日本碍子株式会社, ものづくりセンター・パワエレPJ, サブマネージャー
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Keywords | パワーデバイス / SIサイリスタ / パルスパワー / 自由キャリア吸収法 / キャリア密度分布 / 磁界の影響 |
Research Abstract |
本研究はパワーデバイスの動作解析や特性評価において,キャリアの挙動に与える磁界の影響を考慮することで,新しいパワーデバイスの概念を提案することを目標とする。昨年度までの成果により,'パルスパワー領域と呼ばれる大電流密度領域において,パワーデバイスの基本構造であるPIN構造内におけるキャリアに対する磁界の影響が存在することが実験および数値解析から確認されている。本年度は,本研究の提案の妥当性を検証するに当たり必要とされるデータを得るため,実際のパワーデバイス中でキャリア挙動の時空間分解測定を行った。 測定に使用したパワーデバイスは,パルスパワー応用が注目されているSIサイリスタである。SIサイリスタは,一枚のウエハ上に千個以上の微細セグメントを各方向に配置した構造で,本研究で制作した赤外域プローブレーザ光を用いた自由キャリア吸収法をそのまま適用し,実用的な空間分解能を得ることは困難である。そこで,ウエハからセグメント7個分に相当する1×10mmの領域を切り出すことで,自由キャリア吸収法による測定を可能とした。実際の測定には,切り出した数列のセグメントの中から1列のみを駆動した。 使用したSIサイリスタの素子耐圧は4kVであるが,端面処理を施していないため,測定に際しては印加電圧は550Vとした。スイッチング電流はパルス幅約800ns,ピーク電流値14.7Aであるが,セグメントの電極面積から算出されるアノード付近での電流密度は735A/cm^2となり,デバイス定格の18倍の値となることから,概ねパルスパワー領域での動作を模擬していると考えられる。自由キャリア吸収法によるキャリア密度測定の結果、電流ピーク時におけるキャリア密度はアノード近傍で5.3×10^<15>/cm^3,カソード近傍では2.2×10^<15>/cm^3の釣り鐘形分布となっていることを実測から初めて確認した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koichi Yasuoka: "Effect of Magnetic Field on The Turn-On Characteristics of Power Semiconductor Devices Operated in Pulsed Power Circuit"proc. of the Twenty-Fifth International Power Modulator Symposium. 591-594 (2002)
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[Publications] 青木 喬: "パルスパワー動作時におけるSIサイリスタ構造内のキャリア分布測定"電気学会プラズマ研究会資料. PST-02-135. 25-30 (2002)
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[Publications] 田村 幸彦: "パルスパワー動作時におけるSIサイリスタのキャリア分布計測"電気学会パルスパワー研究会資料. PPT-03-7. 37-42 (2003)
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[Publications] 青木 喬: "大電流密度スイッチング時におけるSIサイリスタ内部キャリア密度分布測定"平成15年電気学会全国大会講演論文集. 4. 6 (2003)