2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13355018
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
武笠 幸一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00001280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有田 正志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20222755)
武藤 俊一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00114900)
末岡 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60250479)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 走査型磁気抵抗効果顕微鏡 / 磁気抵抗効果 / スピンバルブ |
Research Abstract |
MEMS技術と強磁性多層膜作製技術を融合し、4端子測定型の磁気抵抗効果素子を搭載したSPM用カンチレバーの作製方法を確立した。歩留まりの向上、薄膜作製時の応力の緩和など、微小素子を搭載したSPMプローブの作製必要とされるプロセスに関わる問題点を解決し、諸作製条件の最適化をした。 初期の外部磁場印加型のAMR磁気抵抗交差素子に代え、外部磁場の印加の必要がないスピンバルブ型磁気抵抗効果素子の搭載方法について検討を行った。とくに、窒化薄膜上で交換バイアスを実現するために、トップスピンバルブ構造とし、強磁性層、非磁性層、反強磁性層の薄膜作製条件を検討を繰り返し、作成後の熱サイクルでも特性劣化の少ない交換バイアスの実現可能な交換結合薄膜の作製条件を見出した。 これを用いて、ガーネット薄膜の表面軸構造の観察、微細加工を施した強磁性薄膜表面の磁区構造、微細電極パターンに流れる電流が生じさせる磁界の測定を試みた。窒化薄膜上で適正な交換バイアスを実現するための薄膜作製条件出しに当初計画より時間を労したため、時間応答測定の結果については今後公表する予定である。われわれが調査した範囲では、窒化薄膜上に適正な交換バイアスを実現したスピンバルブを作製した例は報告されておらず、本研究がそれを実現した最初の例であり、これにより多数個の感度方向の異なるスピンバルブセンサーを同一プローブ上に配置するなど高機能SPM用プローブの開発が可能となるものである。
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