2001 Fiscal Year Annual Research Report
人工亀裂と非直交ひび割れ間の相互干渉を応用したRC部材の能動的破壊制御
Project/Area Number |
13355019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60312972)
安 雪暉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50312971)
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251339)
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Keywords | 人工亀裂 / せん断破壊 / 有限要素解析 / アクティブクラック法 / 接触面密度関数 / せん断伝達 / 鉄筋コンクリート / 数値解析 |
Research Abstract |
(1)事前にコンクリート部材中に内在させる亀裂スリットを5種類考案した。鋼材に連続的に配置される円形孔を有するスリット,鋼材表面に凸型帯板を溶接したスリット,楕円形の開口を有する亀裂スリットである。これらのせん断ひび割れ阻止性能と,靱性向上効果をRC梁のせん断破壊実験によって調べた。その結果,いずれも耐力の向上と靱性改善効果が認められた。ただし,効果の出方は亀裂スリットの詳細にも依存しており,より効率的なひび割れ制御システムが存在することを確認した。 (2)RC柱への適用性と3次元せん断ひび割れとねじりひび割れとの連成作用を検討するために、全くせん断およびねじり補強を施していないRC柱に十字型鋼板を埋め込み,曲げ・せん断・ねじり力下での耐力と靱性向上を実験によって確認した。その結果,補強鉄筋を一切使用することなく,せん断破壊を回避することが可能であることを実証した。 (3)アクティブクラック法による多方向ひび割れ交差型構成則の一層の精度向上を目指し,完全3次元型のひび割れ面応力伝達構成モデルの定式化に着手した。2次元問題に成功を修めてきた接触面密度関数モデルを3次元球面座標系に拡張することによって,あらゆる相対変位履歴にも対応可能なせん断伝達構成式を導出することができた。拡張型構成式の検証を行うための模型実験の準備を行い,次年度早々に実験に着手する予定である。 (4)内在する亀裂スリットの特性を数値解析に反映させるための特殊要素の定式化を行った。従来の境界接合要素では亀裂スリット内に配置した種々の形状の開口を直接的に表現するのが難しいので,開口から誘発されるひび割れを空間平均化する手法を用いて定式化を行った。この検証は,次年度において(1)および(2)の実験のシミュレーションを通じて行う。
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[Publications] Pimanmas, A., Maekawa, K: "Numerical simulation of failure path formulation and crack sequence in RC with full and local shear anisotropy"Journal of Materials, Concrete Structures and Pavements. V-52, No.683. 157-171 (2001)
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[Publications] Pimanmas, A., Maekawa, K.: "Control of crack localization and formation of failure path in RC members containing artificial crack device"Journal of Materials, Concrete Structures and Pavements. V-52, No.683. 173-186 (2001)
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[Publications] Pimanmas, A., Maekawa, K.: "Shear failure of RC members subjected to pre-cracks and combined axial tension and shear"Journal of Materials, Concrete Structures and Pavements. V-53, No.690. 159-174 (2001)