Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80282995)
岩瀬 昭雄 新潟大学, 工学部, 教授 (30114391)
安岡 博人 三井建設(株), 技術研究所, 部長(研究員)
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 教授 (30152193)
川井 敬二 熊本大学, 工学部, 助手 (90284744)
|
Research Abstract |
本研究では,現在の建築音響の教育,研究,実務で用いられる様々な"音源"を収集し,使用者が簡単にそれを加工して利用できるデジタルなデータベースとして整え,その応用方法について研究した。 音源は903個のwavファイル(約9.7GB)であり,内容別に,(1)現場収録音(実際に音が聞こえる場所における録音),(2)ドライソース(無響室あるいは無響室とみなすことのできる場所における録音),(3)インパルス応答(コンサートホールなどの測定データ),(4)人工的に作成したインパルス応答(材料の透過損失の測定値をインパルス応答として表現したデータ)に大別した。また,本研究で収集した音源データの応用例について研究し,その結果を提示した。本研究ではそれを「メニュー」と呼んでいる。「メニュー」は,大学,高専,工業高校の建築学科の授業に用いることを想定した内容であるが,建築の設計者や技術者が音を試聴しながら建築音響に関する知識を習得するためにも,また一般の方が音のライブラリとして利用することもできる。さらに,収集した音源を加工するためのソフトウェアを新たに開発した。これは,2音を加算したり,2音を比較して試聴したり,ドライソースとインパルス応答の畳込み積分などの機能を備えている。本研究で収集した音源は,基本的にはパソコンのサウンド機能を用いて音を再生することを前提にしている。パソコンの性能あるいは設定が適切でなければ,本研究の成果を正しく利用することができないため,それらをチェックするためのプログラムも開発した。 本研究の成果である,音源データ,メニュー,ソフトウェアによって,建築音響の教育,研究,実務における音の利用が極めて容易になり,また同一の音源を使用した測定・試験・実験の比較が可能になることから,建築音響のさまざまな規格統一の基盤となると期待できる。
|