2002 Fiscal Year Annual Research Report
センチネルノードナビゲーションを用いた新しいがん低侵襲手術の開発と実用化
Project/Area Number |
13357012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北島 政樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90112672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 敦司 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90051771)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20204878)
藤井 博史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80218982)
向井 萬起男 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50101895)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 微小リンパ節転移 / 乳癌 / 消化器癌 / 低侵襲手術 / ナビゲーションサージェリー |
Research Abstract |
固形癌におけるセンチネルノード(SN)ナビゲーションを用いた低侵襲手術の開発を目的として、ラジオアイソトープ法によるSN同定とこれによる転移診断の妥当性を広く多臓器において検証した。これまで消化器癌337例、乳癌280例、頭頸部癌12例、皮膚癌20例計649例について99mテクネシウムスズコロイドをトレーサーとしたSN同定、転移診断を施行し、適応、標準手技の確立を目指してきた。これまでの検討においてSNに転移を認めずnonSNに転移を認めたいわゆる偽陰性症例はいずれも進行癌であり、癌病巣によって占拠された転移リンパ節にはトレーサー粒子の移行が不良であることが判明した。したがって、画像診断上明なリンパ節転移を認めない、臨床診断NO症例を対象とすることがどの臓器癌においても原則であり、比較的少量のトレーサー投与によりリンパ流を網羅することの可能な大きさのT1症例が適切であると考えられた。また、微小転移術中診断においてリンパ節最大割面HE染色による観察では検出感度は十分でなくこれを改善するためには、抗サイトケラチン抗体を用いた免疫染色が有用であることが判明しその手法を確立した。現在、さらに高感度の術中迅速real time RT-PCR法の開発に着手している。SNの分布を術前に正確に把握する目的で、シンチグラフィーの精度向上を図った。体輪郭描出法に加え、RI投与部位近傍のSNを的確に描出するためのバックグラウンド処理法を開発した。さらに、RI法によるSN同定と内視鏡下手術の組合せを胃癌27例、直腸癌15例について施行し、現行のγプローブ機能の問題点を検討し、先端可動型もしくは側方検出器付きで回転可能なプローブの開発に着手している。また、SNを標的とした局所化学療法、局所免疫療法の開発を目指して、ラット虫垂間膜SN転移モデルを用いて、基礎的検討を開始している。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 北川雄光 他: "消化器管におけるSentinel nodeと癌転移"サイトプロテクション-生体防御機構の源流を探る-. 185-191 (2002)
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[Publications] Koyanagi K, et al.: "Clinical significance of telomerase activity in peripheral blood of patients with esophageal squamous cell carcinoma"Annals of Thoracic Surgery. 73(3). 928-932 (2002)
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[Publications] Kitagawa Y, et al.: "Intra-operative lymphatic mapping and sentinel lymph node sampling in esophageal and gastric cancer"Surgical Oncology of North America. 11(2). 293-304 (2002)
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[Publications] 渡邊昌彦 他: "ナヴィゲーションを用いた腹腔鏡下低位前方切除"外科治療(2002増刊). 86. 776-781 (2002)
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[Publications] Kitagawa Y, et al.: "Radio-guided sentinel node detection for gastric cancer"British Journal of Surgery. 89(5). 604-608 (2002)
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[Publications] 藤井博史 他: "ラジオアイトープを用いたSentinel nodeの検索"画像診断. 22(6). 684-695 (2002)
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[Publications] 北川雄光 他: "センチネルリンパ節と癌郭清-癌転移の分子生物学的同定と対策-"Surgery Frontier. 9(2). 95-98 (2002)
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[Publications] 北川雄光 他: "肝胆膵癌の腫瘍マーカー 微小転移"肝胆膵. 44(6). 835-841 (2002)
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[Publications] Kitagawa Y, et al.: "Gastrointestinal Cancer and Sentinel Node Navigation Surgery"Journal of Surgical Oncology. 79(3). 188-193 (2002)
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[Publications] 北川雄光 他: "Sentinel node navigation手術"外科 増刊号. 64(12). 1410 (2002)
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[Publications] Masaki Kitajima, et al.: "Surgical treatment of esophageal cancer-the adcent of the era of indicidualization"The New England Journal of Medicine. 347(21). 1705-1708 (2002)
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[Publications] Kitagawa Y, et al.: "Sentinel node mapping for colorectal cancer with radioactive tracer"Dis Colon Rectum. 45(11). 1476-1480 (2002)
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[Publications] 清水芳政 他: "食道癌におけるSentinel noed navigationの可能性"癌の臨床. 48(13). 863-867 (2002)
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[Publications] 北川雄光 他: "Editorial-固形癌におけるSentinel node navigation研究の現況と実用化に向けた諸問題"癌の臨床. 48(13). 839-843 (2002)
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[Publications] 藤井博史 他: "センチネルリンパ節の画像化"Pharma Medica. 21(1). 53-58 (2003)
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[Publications] 北川雄光 他: "Sentinel node navigation surgerの概要と実際"胃外科の要点と盲点(Knack & Pitfallsシリーズ). 264 (2003)
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[Publications] 才川義朗 他: "消化管癌に対する腹腔鏡下手術の現況(適応,方法,合併症,予後)"日本内科学会雑誌. 92(1). 53-57 (2003)