2003 Fiscal Year Annual Research Report
ABCトランスポーター遺伝子多型に基づくヒト生体中での機能解明
Project/Area Number |
13357020
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
家入 一郎 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教授 (60253473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦江 明憲 九州臨床薬理クリニック, 臨床研究部長
樋口 駿 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (40218699)
大坪 健司 鳥取大学, 医学部附属病院, 教授 (80260701)
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Keywords | ABCトランスポーター / BCRP / 4MU / MDR1 / 胎盤 / hapolotype / diplotype |
Research Abstract |
1.BCRP遺伝子:多型解析を行った結果アミノ酸置換を伴う6種類の多型を同定した。G34A(Val12Met)とC421A(Gln141Lys)はそれぞれ18.0%,35.5%と高頻度であるほか、stop codonとなるC376T(1%)を認めた。蛋白発現量への関与ではC421AとC376T変異により発現が低下した。これらSNPsの日本人(J)、白人(C)、アフリカ人(A)での人種間頻度比較の結果、C421AはCやAと比較してJにおいて高頻度であり、C376Tは日本人においてのみ認められた。4-methylumbelliferone(4-MU)を用いて臨床試験を行った。臨床試験は、健常な日本人成人男女50名を対象とし、4-MU 400mgを経口投与した場合の体内動態の個人差とBCRP遺伝子との関連について検討を行った。BCRPの基質となる4-MU sulfate(4-MUS)のAUCは、421位のSNPの影響は認められなかったが、376位がC/Tのヘテロ型である被検者において有意差は認められなかったがやや高い値を示した。したがって、in vitroにおけるBCRPの機能はC376Tによる影響を受ける可能性が示唆された。 2.MDR1遺伝子:5'非翻訳領域に見る変異のハプロタイプ解析を行い、人種間での頻度比較、並びにルシフェラーゼレポーターアッセーでの機能評価を行った。JおよびCでの多型解析の結果、7箇所の新規変異を含め10箇所の遺伝子変異を同定した。日本人ではG-1459aA(25%)変異が高頻度で、以下A-41aG(10.6%)、T-1517aC(8%)などの変異を認めた。一方、白人では-1423a〜-1422a位の2塩基欠損、T-1017aC、-A755aGおよびT-129C変異が同定されたが低頻度であり、人種差が存在することが明らかとなった。haplotypeを解析した結果、10種類を確認した。胎盤におけるMDR1 mRMA発現量への関与では、diplotype 1/2、1/3で発現量が高値を示すが、1/4、4/4群では有意な差異は認められなかった。日本人に存在する7種類のプロモーター領域のhaplotypeについてその転写活性をリポーターアッセイで解析した。haplotype 1と比較してHaplotype 2、3および9で約30〜40%活性が増加すること、haplotye 6では約30%活性が減少することが認められた。また、転写活性が増加したHaplotype 2、3および9にはT-1517aCおよびT-129C変異が、活性が減少したHaplotype 6にはC-145G変異が特異的に認められ、転写活性との関連が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takane H., Ieiri I., Otsubo K.: "Genetic polymorphism of organic anion and cation transporters : pharmacokinetic and pharwacodynamic consequences in phamacohthrapy"Curr.Pharmacogenomies. 1. 245-257 (2003)
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[Publications] Ieiri I., Takane H., Otsubo K.: "The MDR1 (ABCB1) gene polymorphism and its clinical implications"Clin Pharmacokinet. (In press). (2004)