2001 Fiscal Year Annual Research Report
呼気ガス質量分析診断法の確立を目的とした呼吸回路の開発と臨床応用
Project/Area Number |
13358017
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下内 章人 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (80211291)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 恵一 (株)日本エイピーアイ, 主任研究員
溝上 員章 (株)日本エイピーアイ, 代表取締役社長
蓮見 啓二 日立東京エレクトロニクス株式会社, 主任技師
下門 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院・血流制御内科, 教授 (30192115)
岡野 嘉明 京都大学, 大学院・臨床病態検査学, 助手 (80314186)
|
Keywords | 呼気ガス診断 / 呼吸回路 / 質量分析 / 高純度ガス |
Research Abstract |
生体は呼吸により酸素のみならず環境中の微量物質も吸入し,また,呼気ガス中に排気している.このため,呼気ガスの低分子微量物質を分析するには不純物の少ない高純度を出来るだけ回路内で汚染させない状態で高純度空気の呼吸をする必要があった.そこで,まず,質量分析により市販の高純度空気を大気圧イオン化質量分析装置(APIMS)を用いて選定した.さらに不純物を除去するため純化器設置の必要性の有無について検討した結果,経済性と実用性から,既存の高純度ガスとクリーン回路を利用する限り純化器がなくても充分実用性があることが判明した.また,選択的呼気採取のための一方向弁は,種々の厚さの薄型ステンレスsus316製を円盤状に加工し,レーザー溶接技術を用いて製作した.これらを呼吸回路に組み込み検討したところ,厚さ0.3mmのJバルブが呼吸抵抗が最も少なく,気流の一方向性が保たれることが分かり,目的の呼吸回路部品として採用した.呼吸マスク素材としてシリコン製マウスピースを使用し,質量分析導入回路には結露防止のためのヒーターを設置した.正イオン負荷の際には,呼気水分による水和クラスターの影響があるため,アルゴンによる希釈またはシリカゲルによる水分除去を試みたが,回路が複雑になると逆に汚染の問題があることが判明し,出来るだけ単純な系とするために,高純度アルゴン希釈のみとした.さらに汚染の原因となりうる接続部を極力減らし,システム全体を単純化し,従来,医療用呼吸回路に用いられている合成樹脂製の回路部品も超音波洗浄によりかなりの程度の汚染が予防できることが明らかとなった.以上の検討によりAPIMS導入に最適な呼吸回路システムを組み立てた.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Shirai M, Shimouchi A et al.: "Two-week, but not 1-week, hypoxic exposure enhances nitric oxide-mediated basal tone regulation in rat resistance pulmonary arteries"Japanese Journal of Physiology. 51. 395-398 (2001)
-
[Publications] Shimouchi A et al.: "Factors related to life satisfaction and subjective healthy feelings in respiratory patients during home oxygen therapy"American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine. 163(5). A59 (2001)
-
[Publications] Ukai K, Shimouchi A et al.: "Homodynamic changes in free-moving rats with chronically episodic Hypoxia"Japanese Journal of Physiology. (abstract in press). (2002)
-
[Publications] Noda K, Shimouchi A et al.: "Detection of organic compounds in plasma by gaschromatography-masspectrometry"Japanese Journal of Physiology. (abstract in press). (2002)