2003 Fiscal Year Annual Research Report
ボルネオ及びその周辺部における移民・出稼ぎに関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
13371004
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
宮崎 恒二 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40174156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 慶子 北九州大学, 法学部, 教授 (90197575)
清水 展 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 教授 (70126085)
山下 晋司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60117728)
富沢 寿勇 静岡県立大学, 国際学部, 教授 (70180164)
伊藤 眞 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (60183175)
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Keywords | 移民 / 出稼ぎ / 出入国 / アイデンティティ / サバ / BIMP-EAGA / 政治参加 / 越境 |
Research Abstract |
第三年度である2003年度においては、東南アジア地域においてSARSの流行がみられたため、9月に予定していたインドネシア科学院との共同ワークショップを中止するとともに、年度前半における当該地域の現地調査を米、英、蘭各国におけるフィリピン、マレーシア、インドネシア関連の文献調査、資料収集に切り替えた。SARS流行の収束した年度後半にはマレーシア・サバ州等での現地調査を再開した。主な調査テーマならびに収集資料は以下の通り: ナマコの生産と流通機構の再編成に関する資料収集(香港:赤嶺) 華僑華人組織の調査(マレーシア、サラワク州、ブルネイ:陳天璽) ボルネオ植民地期ならびにマレーシア/インドネシア国境部に関する資料の収集(米国:石川) 植民地時代におけるインドネシア、マレーシア地域からのメッカ巡礼に関する文書資料の収集(イギリス、オランダ:伊藤) ミンダナオ南部と北ボルネオ間の歴史関係に関する資料調査・収集(米国:清水) サバの華人社会と華語教育(シンガポール、サラワク:田村) サバにおけるツーリズム(サバ:山下) バジャウ/サマ集中地域における海草産業(サバ、クアラルンプール:富澤) マレーシア・フィリピン境界海域におけるサマ社会(フィリピン、マレーシア:床呂) カダザン意識の生成(サバ:上杉) また、多くの機関の研究者によるアジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究プロジェクト『アフリカ・アジアの政治文化:移動と越境研究班』の主催する国際シンポジウム「東南アジアにおける境域社会の動態」(2003年12月10〜12日、文科省国際シンポジウム経費補助による)において、これまでの研究成果の中間的なまとめを発表するとともに、また今後の共同研究の可能性ならびに研究テーマの発展方向を探った。
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Research Products
(25 results)
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[Publications] Akamine Jun: "Eat or not ? : Reconsideration of "depleting" resource exploitation."Proceedings of the 8th Symposium on Chinese Dietary Culture (Taipei : Foundation of Chinese Dietary Culture). 4-1. 1-37 (2003)
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[Publications] 陳 天璽: "華僑華人を見つめる目"『中国21』愛知大学現代中国学会編. 17号. 139-156 (2003)
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[Publications] 陳 天璽: "華人歴史博物館の映す未来 サラワク・神戸に見る"神戸華僑歴史博物館通信. 2. 3 (2003)
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[Publications] 陳 天璽: "国境とパスポート"月間みんぱく. 2004年1月号. 9 (2004)
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[Publications] Ishikawa, Noboru: "Remembering National Independence at the Margin of the State : A Case from Sarawak, East Malaysia"Japanese Review of Cultural Anthropology. 4. (2003)
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[Publications] 伊藤 眞: "サバのブギス移民"人文学報. 338号. 59-85 (2003)
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[Publications] Tamura, Keiko: "Chinese Education and Society in Sabah, East Malaysia"社会システム研究科紀要(北九州市立大学社会システム研究科). (2004)
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[Publications] 田村慶子: "サラワクの華語教育と華人社会"法政論集(北九州市立大学法学部紀要). (2004)
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[Publications] 上杉富之: "越境する人々にとっての『ふるさと』"民俗学研究所ニュース(成城大学民俗学研究所). No.60. 3 (2003)
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[Publications] 上杉富之: "人類学からみたトランスナショナリズム研究"日本常民文化紀要. 第24輯. (2004)
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[Publications] 赤嶺 淳: "『海洋資源の利用と管理に関する人類学的研究』岸上伸啓編 国立民族学博物館調査報告46(担当部分:「干ナマコ市場の個別性-海域アジア史再構築の可能性」pp.265-297)"国立民族学博物館. (2003)
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[Publications] 赤嶺 淳: "『先住民と水産資源』北海道立北方民族博物館編(担当部分:「饗宴と狂演の舞台裏-アジア史におけるナマコの位置づけ」pp.48-57.)"北海道立北方民族博物館. (2003)
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[Publications] 石川 登: "トランスナショナリティ研究:場を越える流れ(担当部分:「東南アジア島嶼部のフロンティア空間:ボルネオ島西部インドネシア/マレーシア国境地帯からの視点」p.210-221、インターフェースの人文学大阪大学21世紀COEプログラムインターフェースの人文学 2002・2003年度報告書"大阪大学大学院文学研究科・人間科学研究科・言語文化研究科. (2003)
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[Publications] 石川 登: "三浦徹・岸本美緒・関本照夫編『比較史のアジア所有・契約・市場・公正』(担当部分:「国家が所有を宣言するとき:東南アジア島嶼部における領有について」pp.56-80)"東京大学出版会. (2004)
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[Publications] 石川 登: "加藤剛・編著『変容する東南アジア社会 民族・宗教・文化の動態』「(担当部分:「<民族>以前 ボルネオ島西部国境社会における村落と国家」ボルネオ島西部国境社会における村落と国家」"めこん. (2004)
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[Publications] 伊藤 眞: "松園万亀雄編『性の文脈』(担当部分:「女のこころをもつ<かれら>-インドネシアのチャラバイ-」pp.226-248)"雄山閣. (2003)
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[Publications] 伊藤 眞: "宮本勝編『もめごとを処理する』(担当部分:「男女をめぐるもめごととその収拾-南スラウェシの駆け落ち事例から-」pp.45-68)"雄山閣. (2003)
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[Publications] ITO, Makoto: ""Goda, Toh (ed.) Postcolonialism and Local Politics in Southeast Asia. (wrote "Haji  ; tour under the late New Order Regime in Indonesia : South Sulawesi case" pp.245-268)"Newday Publishers, Manila, Philippines. (2003)
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[Publications] 清水 展: "第7回フィリピン研究会全国フォーラム抄録集(担当部分:「フィリピン/研究の可能性:周縁から・先住民から」pp.7-13)"フィリピン研究会. (2003)
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[Publications] Shimizu, Hiromu: "Yamashita, Shinji & Jerry Eades (eds.), Globalization in Southeast Asia : Local, National and Transnational Perspectives. (wrote : "Diaspora and Ethnic Awakening : The Formation of Cultural Consciousness among the Ayta of Mt. Pinatubo after the Eruption of 1991," pp. 179-201.)"New York : Berghahn Books. (2003)
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[Publications] 清水 展: "噴火のこだま:ピナトゥボ・アエタの被災と新生をめぐる文化・開発・NGO"九州大学出版会. 354 (2003)
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[Publications] 清水 展: "横山廣子・編『国立民族学博物館調査報告30:民族と法制度-各国と世界からの展望-』担当部分:「土地と資源は誰のものか?フィリピン・先住民権利法(IPRA, 1997)をめぐって」"(掲載ページ未詳). (2004)
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[Publications] 清水 展: "林行夫/合田濤(編)『講座ファースト・ピープル:世界先住民の現在-第2巻・東南アジア』(担当部分:「先住民の誕生:ピナトゥボ噴火によるアエタの苦難と覚醒」)"明石書店(掲載ページ未詳). (2004)
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[Publications] Yamashita, Shinji: "Bali and Beyond : Explorations in the Anthropology of Tourism (Translated by Jerry Eades)"New York and Oxford : Berghahn Books. xix+175 (2003)
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[Publications] 山下晋司: "大森康宏編『マルチメディアによる民族学』(国立民族学博物館調査報告35)(担当部分「文化人類学における視聴覚教育の可能性」pp.93-100.)"大阪:国立民族学博物館. (2003)