2004 Fiscal Year Annual Research Report
国家・開発政策をめぐる環境変化と少数民族の生存戦略:北東アフリカ諸社会の比較研究
Project/Area Number |
13371008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福井 勝義 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (60014510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 幸生 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60174223)
松田 凡 京都文教大学, 人間学部, 助教授 (90288689)
佐藤 廉也 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助教授 (20293938)
藤本 武 人間環境大学, 人間環境学部, 助教授 (20351190)
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Keywords | 北東アフリカ / エチオピア / 国家政策 / 生業体系 / 環境利用 / 生存戦略 / 開発 / 民族 |
Research Abstract |
本研究は、エチオピアを主要な対象とし、国家の諸政策および開発援助が浸透していく過程で、周辺の少数民族がどのように生存戦略を見いだし、新たな再編成をはかっていくかを実証的に浮き彫りにすることを目的としてきた。 最終年度にあたる平成16年度は、エチオピア中央政府がこれまで実施した諸政策が、エチオピア西南部の民族社会に及ぼしてきた影響を、エチオピア帝政期と革命政権下の2期に分けての聞き取りや資料収集をまとめあげた。そして具体的に、2年目以降進められてきた、各研究者のフィールドにおける在来の政治組織や土地所有の変化といった「社会的対応」と農耕・牧畜技法や栽培する作物の比重、その品種の変遷といったより長期的なスパンで発生するような「生業レベルの変化」の2点のほか、衛星画像の解析を進めることによって、国家・開発政策にともなう諸社会の環境利用変化を生態環境データと照らし合わせた分析を、年3回の研究会で比較検討した。このように、国内での研究会合を開催して研究メンバー間での情報交換と統合的な分析を進めた一方、今年も研究代表者をはじめ9人の研究分担者および研究協力者がエチオピア西南部において現地調査を行ってさらなる情報収集を行った。その結果、西南部諸社会では、帝政時代・デルグ政権時代・EPRDF現政権時代という3つの歴史区分で、各民族社会におけるそれぞれ影響のあり方や質などが、地域による自然環境や生態資源、各民族の文化や習俗など、さまざまな位相において異なっていることが明らかになった。 こうした4年間の研究成果をもとに、3月に京都大学学術出版会から『社会化される生態資源』を刊行した。国家政策と周縁に位置する民族社会への影響の問題、またイタリア占領期からの歴史・政治的背景との関わり、さらに作物や野生動物、森林といった生態資源がどのように社会化されるかといった問題について、多角的な視点から検証している。
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Research Products
(7 results)