2004 Fiscal Year Annual Research Report
アンデス高地における環境利用の特質に関する文化人類学的研究-ヒマラヤ・チベットとの比較研究-
Project/Area Number |
13371010
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
山本 紀夫 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (90111088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 修二 東京都立大学, 理学部, 教授 (60117695)
本江 昭夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30091549)
稲村 哲也 愛知県立大学, 文学部, 教授 (00203208)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
苅谷 愛彦 千葉大学, 理学部, 助手 (70323433)
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Keywords | 農耕文化 / ラクダ科家畜 / 品種の多様性 / アカザ科雑穀 / 血液タンパク質 / 農牧土地利用 / ケチュア族先住民 / アンデス東斜面 |
Research Abstract |
(1)山本は、6月から8月にかけてペルー、クスコ県においてアンデスの伝統的な農耕文化の調査を実施した。とくに、マルカパタ村では作物の品種の多様性と土着の宗教との関係について民族植物学的な調査をおこなった。 (2)本江は、ラクダ科家畜の起源を明らかにするために、ペルー、プーノ県において野生ラクダ科動物のビクーニャやグアナコ、さらにラクダ科家畜のアルパカやリャマから血液を採取した。これは、川本の実験研究に供される予定である。 (3)本江は大学院生の藤倉とともに、アンデスの寒冷高地適応型の農耕の特色を明らかにするため、ペルー南部のティティカカ地方においてアカザ科雑穀の栽培および利用に関する調査を実施した。 (4)稲村は、8月にペルー南部アレキパ県においてケチュア族先住民の生活、生業形態、社会組織等の変動について文化人類学的調査をおこなった。また、本年3月には、同地域の高原の牧民社会において、牧畜の形態、家族と居住等についての文化人類学的調査もおこなった。 (5)川本は、稲村と共同で、ペルー南部のアレキパ県およびプーノ県においてラクダ科動物(グアナコ、ビクーニャ、リャマ、アルパカ)50個体から血液試料を採取した。その後、リマの天野博物館において血液タンパク質の電気泳動分析をおこなった。この結果、ビクーニャとアルパカの近縁性、人為撹乱の大きい地域で家畜種の交雑が進んでいることが確認できた。 (6)苅谷は、山本とともに、ペルー、クスコ県のマルカパタ村を中心に、アンデス東面斜面を標高約1000mから5000mにおよぶ高度差に富んだ地域で、地形や土壌調査をおこない、農牧土地利用と主要地形との関係を明らかにしょうと試みた。 (7)大山は、昨年にひきつづき、ペルー南部のアヤクーチョ県の高原地帯でビクーニャの生態および自然環境の特色の調査をおこなった。 (8)本年3月に、メンバー全員が京都に集まり、調査報告会を実施、報告書作成にむけての検討もおこなった。
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Research Products
(7 results)