2002 Fiscal Year Annual Research Report
世界各地の特異な海溝―海嶺の深部地下構造と、微小地震から見た「活動のいま」の解明
Project/Area Number |
13373001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
島村 英紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10011636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 裕一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20208226)
村井 芳夫 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40301931)
|
Keywords | 海底地震計 / 海底地震観測 / 海嶺 / 北大西洋 / スバルバール諸島 / クニポビッチ海嶺 / プレート / 地下構造 |
Research Abstract |
グリーンランドとノルウェーは地続きのひとつの大陸だったが、約6000万年前から大西洋は拡がっていっている。グリーンランドの大陸棚から南東に向かってグリーンランド断裂帯が延びている。本研究の目的のひとつは、この断裂帯が、海陸、どちらの起源のものかを解明することだった。起源を決めるには地下構造が決め手になる。もし大陸起源ならば、大陸の割れ始めに、今まで知られていなかった複雑な事件が起きていたことになり、海起源ならば、海底が拡がって以後に、別の事件が起きていたことになるからである。 本研究には別の目的もあった。(大西洋中央海嶺の一部である)クニポビッチ海嶺が、一様な海洋底拡大をしていない理由であった。海底が拡大して行く方向は海嶺が走っている方向とは斜行しているが、その拡大方向に沿って、海底に多くの海山が並んでいるところと、海山が全くなくてのっぺらぼうなところが、数十キロメートル離れて隣り合っているのである。海嶺では普通はプレートは一様に拡がっていくと思われており、このように近傍でムラがあるのは異例なことである。この双方の地下構造を精査して比較する研究を行った。海山にどのくらいの「根」が生えているのか、また海山がないところの海底下には、もしかして、「出来かけの、あるいは出来損ないの」海山が隠れているのではないか、というのが研究だったのである。 このように本研究の観測は2002年の8月から9月にかけて行われた。観測の手法としては、北海道大学から運んだ海底地震計と、ノルウェーの大学が持つエアガンという人工震源を組み合わせて、地下構造を探るものだった。海底地震計で記録されたデータは膨大なので解析を終わるまでに1-2年かかるが、大西洋の「歴史」や「現在」について、貴重な知見が得られるはずである。
|
-
[Publications] Shimamura, Mjelde, Nishimura: "Sub-bottom structure of Greenland Fracture Zone (GFZ) revealed by OBS"(発表予定).
-
[Publications] Mjelde, Murai, Shimamura: "On the detailed difference in the spreading pattern and the history of Knipovich Ridge revealed by OBS study"(発表予定).
-
[Publications] Murai, Brandsdottir, Shimamura, Mjelde: "Relation between seismicity, sub-bottom structure of the Knipovich Ridge"(発表予定).
-
[Publications] Lepine, Shimamura, Murai, Mjelde, Hirn: "A comparison between the sub-bottom structure of Knipovich Ridge and mid Atlantic Ridge"(発表予定).
-
[Publications] Mjelde, Shimamura, Nishimura, Murai: "Evolution of Greenland Fracture Zone, revealed by a detailed structural study by use of OBS and airgun array"(発表予定).
-
[Publications] Mjelde, Shimamura, Murai, Hirn, Einarsson: "Fractuation of spreading in the Knipovich Ridge and its relation to the sub-bottom structure and magnetic lineations"(発表予定).