2002 Fiscal Year Annual Research Report
チリ海嶺沈み込みと陸弧における火成活動の時空的変遷
Project/Area Number |
13373004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安間 了 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70311595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安仁屋 政武 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10111361)
折橋 裕二 東京大学, 地震研究所, 助手 (70313046)
岩森 光 東京大学, 理学部, 助教授 (80221795)
黒澤 正紀 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50272141)
中野 孝教 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (20155782)
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Keywords | チリ海嶺 / タイタオ・オフィオライト / 中新世花崗岩類 / 海嶺沈み込み / 火山岩 / アンデス山脈 / 地震 / コーナー流 |
Research Abstract |
安間ほかの地質班は今年度12月から1月にかけて50日間にわたってチリ海嶺沈み込み帯近傍の南緯46度付近に露出する鮮新世タイタオ・オフィオライトの地質調査と中新世花崗岩類の岩石採取を行った。この結果、タイタオオフィオライトの構造や貫入機構についての知見が得られたとともに、2トン以上の岩石試料が収集された。来年度は、投稿を目指して地質図をまとめるとともに、これらの試料を分析する予定である。折橋ほかの火山班は昨年度までに採取したパタゴニア地方全域の火山岩類のK-Ar年代測定および全岩化学分析に着手し、特に1)チリ・リッジ近傍のHudsonおよびLautaro火山の火成活動の解明、2)extra-back arcに分布する漸新世-中新世玄武岩類のマグマ組成の進化プロセスの解明、を中心に取り組んだ。前者の結果については来年度6月末にRevista Geologica de Chileにて編集予定の特集号に2編の論文を投稿予定である。岩森ほか地震班では、海嶺沈み込み帯の基本場の性質についての理論的研究および来年度の地震波探査の準備を進めた。前者に関しては、沈み込み帯の火成岩および融解実験データの化学組成の広範なコンパイルを進め、全体の組成バリアンスの80パーセント程度が高々2-3つの数で記述可能なことを見出し、今後のモデル化にとって、比較的単純な溶融モデルが有効であることを示した。また、前弧域の変形については、一般的なさまざまな場に適応できる3次元粘性流動モデルを構築し、このモデルを白亜紀海嶺沈み込みの産物と考えられる領家-三波川変成帯の変形に適応した(Iwamori,2002;2003a;2003b)。その結果、前弧城が3次元コーナー流れを起こした可能性を見出した。後者については、日本学術振興会の短期招聘プログラムに、地震班の共同研究者であるプリーストリー博士(ケンブリッジ)とバタイエ博士(コンセプション)の日本への招聘を提案した。残念ながらバタイエ博士については招聘が認められなかったものの、プリーストリー博士については認められ、2003年の5-6月に来日予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Iwamori, H.: "Viscous flow and deformation of regional metamorphic belts at convergent plate boundaries"J.Geophys.Res.. (印刷中). (2003)
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[Publications] 岩森 光: "プレート収束境界における広域変成帯の流動と変形"月刊地球. 25号. 211-216 (2003)
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[Publications] Orihashi, Y., Hirata, T.: "Rapid quantitative analysis of Y and REE abundances in XRF glass bead for selected GSJ reference rock standards"Gochem.Jour.. (印刷中). (2003)