2002 Fiscal Year Annual Research Report
仏教移入が及ぼした東アジアにおける世界観・人間観への影響の研究
Project/Area Number |
13410007
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤井 教公 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70238525)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉水 清孝 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20271835)
細田 典明 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00181503)
佐藤 錬太郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40196291)
沼田 一郎 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20261258)
ゆはず 和順 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80210590)
|
Keywords | 法華経 / 仏性 / 衆性 / 孔子 / 王権 / 法華論 |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者と分担者それぞれがインド・中国・日本における世界観・人間観形成のテーマ研究に従事し、それぞれのトピックを検討した。また、そのために中国仏教関係、日本仏教関係の文献の収集整備につとめた。 検討したトピックは以下のようである。すなわち、インドにあっては、「インド原始仏教・部派仏教における世界観と人間観」および「古代インド社会思想と仏教の世界観・人間観との関わり」について検討を加えた。また、研究代表者は、昨年度に引き続き、インド仏教における『法華経』の唯一の残存注釈書である世親の『法華論』について、複数の研究協力者の助力を得て、この漢訳テキストの訳注作成を続行し、テキスト全体の三分の二を終了した。平成15年度もこれを継続し、全体の訳注を完成させたいと考えている。 中国にあっては、仏教移入以前のトピックとして、「儒教における世界観・人間観」について扱った。仏教移入以後のトピックとして、「隋唐時代にかけての仏教における人間観」を扱った。 インド仏教におけるsattvaの語は中国では多く「衆生」と訳され、大乗仏教の空観の影響によって、衆生も他の存在と同じく存在の根拠を有せず、仮に施設されたものと考えられるようになった。これは仏教移入以後の著しい変化であるといえる。
|
-
[Publications] 藤井教公: "中国隋唐仏教における衆生観-天台・三論を中心に"印度学仏教学研究. 51-2. 1-7 (2003)
-
[Publications] 佐藤錬太郎: "陽明学派の禅的思想とその評価"日本中国学会報. 54. 240-253 (2002)
-
[Publications] 細田典明: "「和顔愛語」の原語をめぐって"印度哲学仏教学. 17. 1-17 (2002)
-
[Publications] 吉水清孝: "クマーリラにおける定期祭の意義付け"印度哲学仏教学. 17. 20-35 (2002)
-
[Publications] ゆはず 和順: "孔子は礼のいかなる面を重んじたか-礼の精神と形式-"月刊しにか. 13-6. 18-23 (2002)
-
[Publications] 沼田一郎: "Apastambadharmasutraにおける王権論の構造"印度哲学仏教学. 17. 139-149 (2002)