2003 Fiscal Year Annual Research Report
震災10周年を見据えた災害ボランティアに関する長期的総合研究
Project/Area Number |
13410035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (80260644)
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Keywords | 災害ボランティア / ボランティア / ネットワーク / 阪神・淡路大震災 / 地域づくり / コミュニティ / フィールドワーク / 参与観察 |
Research Abstract |
研究I「阪神・淡路大震災当初から継続している災害ボランティア組織への参与観察」 本研究のベースとなる事例として、震災当初から行っている災害ボランティア組織((特)日本災害救援ボランティアネットワーク)への参与観察を継続し、エスノグラフィーを加筆した。 研究II「災害ボランティア組織のネットワークの動向調査(1)」 災害NPO(のネットワーク)による宮城県北部連続地震の救援活動に参加して観察するとともに、彼らが形成している全国レベルのネットワークが共同で進めている活動に参加し、現状と問題点を整理した。ボランティアを含んだ災害救援体制について、政策提言を行うための準備を実施中である。 研究III「災害ボランティア組織のネットワークの動向調査(2)」 ノースリッジ地震10周年の現場を訪れ、全米災害救援ボランティア機構の地域への伝播に着目して聞き取り調査を行った。 研究IV「平常時の災害ボランティア組織が行う活動調査-地域づくりという観点から」 災害NPOや災害ボランティアセンターとなった社会福祉協議会等が行う防災を視野に入れた地域づくりの活動を調査・観察し、災害ボランティア活動が、コミュニティの活性化に果たす役割について、理論的な考察を開始した。 研究V「災害ボランティアに関する理論構築」 上記研究の途中経過を総合する目的で、ボランティアの現場研究を論文として公刊するとともに、国内外での学会発表を行った。 研究会 月例で実施することはできなかったが、関連分野の研究者および活動の当事者を訪問し、最新の研究動向や現場の状況を把握し、来年度の総括に向けた展望を得た。
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[Publications] 渥美公秀: "語りのグループ・ダイナミックス-語るに語り得ない体験から"大阪大学大学院人間科学研究科紀要. 30. 159-173 (2004)
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[Publications] 渥美公秀: "ボランティア活動による減災-震災から8年を経て"都市論研究(Annales de la Rechreche). (印刷中).
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[Publications] 渥美公秀: "台湾集集大地震における救援活動の記録"ボランティア人間科学紀要. 4(2). 189-206 (2003)
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[Publications] Atsumi, T., Suzuki, I.: "A Nationwide Network of Disaster NPOs to Cope with Regional Vulnerability in Japan"http://idrm03.dpri.kyoto-u.ac.jp/proceedings.htm#5. (2003)
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[Publications] 渥美公秀, 杉万俊夫: "災害救援活動の初動時における災害NPOと行政との連携-阪神・淡路大震災と東海豪雨災害との比較から-"京都大学防災研究所年報. 46,B. 93-98 (2003)
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[Publications] 杉万俊夫, 渥美公秀, 井上雄策: "市民参加による社会的防災力の強化と災害救援NPOの役割-NPO「レスキューストックヤード」の事例研究"京都大学防災研究所年報. 46,B. 99-104 (2003)