2002 Fiscal Year Annual Research Report
学童期の人格発達に見る乳幼児期の「保育の質」に関する研究
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13410080
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
金田 利子 静岡大学, 教育学部, 教授 (60086006)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 イク 常葉学園短期大学, 保育科, 教授 (10141425)
郷式 徹 静岡大学, 教育学部, 助教授 (40332689)
渡邉 保博 静岡大学, 教育学部, 教授 (50141552)
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| Keywords | 保育の質 / 幼児期 / 実験的観察 / 主張性尺度 / 自己制御 / 学童期 / 類型 / 類型の国際比較 |
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| Research Abstract |
1.「観察法」による追跡研究:(1)昨年度明らかになった4類型に位置づく園より、各1園ずつ選び計4園に年3回、前期・中期・後期と共同研究者4人が同時に観察に入り、類型化を実践的に確かめた。(2)3回目の観察では、子どもの自己発揮と自律的な自己コントロール能力を保育類型別にみるために実験的観察を行った。具体的には、人数分には足りない新規な玩具のプレゼントを持っていき、解決過程を見た(結果は分析中)。
2.小学生の人格発達に見る保育方法の効果に関する「質問紙調査」:学童期の自己制御の発達において、児童用主張性尺度(濱口、1944)を用いて各類型園の卒業生を対象に質問紙調査を行いその結果から保育効果を見た。具体的には、静岡市4類型園の卒業生の多く入学している4小学校において4年5年生973人に調査し、4つの保育類型別に効果を見た。4類型とは、昨年度の因子分析によって得た3因子(F1保育環境・F2保育内容・保育方針、F3大人の立場優先)の組み合わせによる次のABCDタイプである。A(F1高・F2高・F3低)、B(F1高・F2低・F3中)、C(F1低・F2高・F3中)、D(F1低・F2低・F3高)である。結果、A園は出身者数が少なく除外、B園とD園の出身者のいる学校間に有意差が見られた。が、他園を含めても差があるため出身園の影響よりも小学校の影響の方が大きく見えた。しかし、C園出身者とB園出身者の多い学校児との間に差のないことから、保育の類型別の効果がないとはいえないという結果が得られ来年度の追跡研究に向けての有効な資料となった(H15年度日本教育心理学会に報告)。
3.海外との「比較研究」:昨年度作成した保育類型尺度が他国でも可能かどうか、隣国韓国にて保育観察(6園)しつつ調査も行った。その結果、韓国では全園類型Aとなり保育類型の国際化については更なる検討を要することが分かった(H15年度日本保育学会に報告)。
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[Publications] 金田 利子: "発達過程における保育効果の研究に関する課題と方法"保育の研究. 19. 1-6 (2002)
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[Publications] Satomi I.Taylor 他共同研究者4人: "保育者の遊び観に関する日米比較"保育の研究. 19. 92-100 (2002)
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[Publications] 長崎イク, 金田利子, 渡邉保博, 郷式徹, サトミ・テイラー: "乳幼児期の社会性発達の教育に関する日米比較"常葉学園短期大学紀要. 33. 123-134 (2002)
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[Publications] 長崎イク, 金田, 渡邉: "保育実践の類型(2)-韓国の場合-"日本保育学会第56回大会発表論文集. 56. 262-263 (2003)
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[Publications] 金田利子, 郷式, 長崎, 渡邉: "学童期の自己制御の発達にみる幼児期保育実践の類型別効果"日本教育心理学会第46回大会発表論文集. 46. (2003)
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[Publications] 金田 利子: "育てられている時代に育てることを学ぶ"新読書社. 252 (2003)
