2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本における文化人類学教育の再検討:新たな社会的ニーズのなかで
Project/Area Number |
13410094
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 晋司 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60117728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 克己 国民民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (40094156)
鈴木 正崇 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (10126279)
桑山 敬己 創価大学, 文学部, 教授 (50288057)
船曳 建夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90165457)
波平 恵美子 お茶の水女子大学, 文教学部, 教授 (00109216)
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Keywords | 文化人類学 / 教育 / 社会的ニーズ / グローバル化 / 国際研究者交流(米国) / 国際研究者交流(連合王国) / 国際研究者交流(オーストラリア) |
Research Abstract |
今年度は、7月7日の研究会において、桑山が文化人類学関係の教科書を、中村が東京大学文化人類学コースに提出された学位論文を取り上げて、近年の文化人類学の動向の変化を明らかにした。10月27日の研究会では、今日の日本の文化人類学教育をめぐって、山下、春日、鈴木が、それぞれ東京大学、大阪大学、慶応大学を例に、教育・研究組織、カリキュラム、学位諭文の傾向、卒業・修了後の進路などについて報告し、その実態を明らかにした。2002年1月12日の研究会では、波平が教官公募の分析を行い、田村が国立民族学博物飴の改組問題を検討して、今日における文化人類学の社会的ニーズを明らかにした。2月23日の研究会では、今年度の成果の確認と来年度に向けての課題を検討した。 また、今日のグローバル化の時代においては、日本の文化人類学教育も諸外国の事例を参考にして検討される必要があるため、山下、桑山、イーズは11月末〜12月初のワシントンでのアメリカ人類学会第100回年次大会で情報収集を行い、2002年3月には山下がアメリカ合衆国(カリフォルニア大学バークレー校、ロサンジェルス校)において、船曳が連合王国(ロンドン大学、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学)において、田中がオーストラリア(シドニー大学、オーストラリア国立大学、メルボルン大学)において、文化人類学教育に関する情報収集活動を行う予定である。 尚、11月9日にシドニー・ミンツ(ジョンズ・ホプキンス大学名誉教授)、2002年1月12日および2月23日に日野舜也(京都文教大学)、2月23日に大森康宏(国立民族学博物館)を講師として招き、文化人類学教育に関する彼らの知見を聴取した。 以上の活動を通し、内外の今日の文化人類学教育の実態を明らかにし得たことが、今年度の研究成果である。
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Research Products
(17 results)
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[Publications] 山下晋司: "人類学の蓄積、世界に開く時"読売新聞(2002年1月21日夕刊). (2002)
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[Publications] 田中雅一: "発達における儀礼の意義"教育と医学. 50-2. 12-13 (2002)
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[Publications] 秋道智彌: "空飛ぶ熱帯魚とグローバリゼーション"エコソフイア. 7. 34-41 (2001)
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[Publications] 秋道智彌: "東アジアの海人世界"東北学. 5. 225-237 (2001)
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[Publications] イーズ, ジェレミー: "Reforming Japanese Higher Education : Birthrate, Bureaucracy, and Visions of the 21st Century"Ritsumeikan Journal of Asia Pacific Studies. 8. 84-99 (2001)
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[Publications] イーズ, ジェレミー: "New directions in Asia Pacific Studies: a summary"Ritsumeikan Journal of Asia Pacific Studies. 7. (2001)
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[Publications] 桑山敬己: "アメリカの文化人類学教科書の内容分析:1990年代前半からの変化を中心に"国立民族学博物館研究報告. 25-3. 355-384 (2001)
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[Publications] 桑山敬己: "Representations of Japan in American Textbooks of Anthropology : With Focus on the Use of Photographs"Occasional paper series(number 1), Europe Japan Research Centre, Oxford Brookes University, United Kingdom. (掲載予定). (2002)
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[Publications] 白石さや: "講座 海外から日本を理解する:マンガ・アニメのアジア・ネットワークとアメリカ・ネットワーク"京都文教大学人間学研究所紀要『人間学研究』. 2. 83-85 (2001)
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[Publications] 鈴木正崇: "文化人類学の再生産-慶應義塾大学の場合"『哲学』慶應義塾大学三田哲学会. 107. 293-310 (2002)
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[Publications] 竹沢泰子: "アメリカ合衆国における二言語教育"KOBE外国人支援ネットワーク編『日系南米人の子どもの母語教育』神戸定住外国人支援センター. 73-81 (2001)
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[Publications] 竹沢泰子: "Nikkeijin and Multicultural Coexistence in Japan"New Worlds/New Lives,ed.by Lane Hirabayashi, Akemi Kikumura, and James Hirabayashi, Stanford University Press. (予定). 310-330 (2002)
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[Publications] 船曵建夫: "国民文化と市民文化"『21世紀の地球と人類に貢献する東洋思想』将来世代国際財団. 158-166 (2001)
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[Publications] 船曵建夫: "Pacific Passing"Daizaburo, Yui & Yasuo, Endo(eds.), Framing the Pacific in the 21st Century : Coexistence and Friction. 75-78 (2001)
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[Publications] 山下晋司(共著): "ホテルからアジアが見える"海竜杜. 342 (2001)
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[Publications] 大塚和夫: "いまを生きる人類学:グローバル化の逆説とイスラーム世界"中央公論新社. 305 (2002)
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[Publications] 波平恵美子(編著): "『文化人類学』"医学書院. 260 (2002)